山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2016年11月4日

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大都市のデパートは人影少なく全然売れない理由

 上海のデパートやスーパーを回ってみると客足は伸びていないように見える。日本人の多く住んでいる上海の古北地区では日本のデパートはまだ閉店にはなっていないが、日本人駐在員は不況のために昨年比で3割くらいは帰国しているとの噂もある。上海の友人によると、一般市民はデパートではウィンドウショッピングをするだけで、値段をチェックして家に帰ってネットで買うのが購買パターンになっているとのことだ。

 上海や北京のような大都市と二級都市(西安市や宝鶏市)とは購買行動には違いがあるようだが、全国の平均ベースでは中国の小売売上高の動向は、7-9 月期は前年同期比10.6%増と好調に推移しているらしいから、地域差によるまだら模様はまちまちである。

 デパートは売れなくてネットは繁盛しているのには別の理由もある。日本に来る爆買いツアーは、自分のものだけをお土産で買って行く訳ではない。何割かの観光客は日本製の安い製品の運び屋をやっていると聞いている。ネット販売業者が運び屋にお金を渡して「関税なし」「増値税なし」「贅沢税(消費税)なし」で公然と合法的な密輸を斡旋しているというのだ。

 LCC(Low Cost Carrier)を使えば1万2000円で上海・東京が往復である時代だ。関税、増値税、贅沢品税をカットすれば60%も安く買えるから爆買いして転売するだけで月に100万円を稼ぐ中国人がざらにいる。例えば、紙おむつはワンパックを日本では1300円~1500円で売っているが、これを中国で販売すると倍で売れるという。we chatを利用してミルクやオムツをEMSで中国に送っても20キロ以内なら郵送費は約1万円だし、やり方はいくらでもあるのだ。

 スーパーでは紙おむつや粉ミルクの販売制限があるから爆買いツアーは家族ぐるみで日本のスーパーに買いに来るらしい。子供2人とお母さんとお父さんが都内のスーパーで開店と同時に販売制限2個づつを4人で買うのだ。バーゲンの日が狙い目だとは誰でも知っている。手配師はスーパーの値引きカードまで運び屋から取り上げるらしいから恐れ入る。価格が安くて品質が良くて日本製で安心できるなら誰だってネットで買うというものだ。

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