もとは大浦町の海岸通りにあった旧長崎英国領事館が、生前の野口彌太郎本人も気に入って、そこが記念美術館となっていた。その建物が近年、国の重要文化財に指定されて、補修が必要となり、それで今はこの平和会館に仮移転となっているらしい。
その旧領事館にも行ってみたが(現在は入館不可)、赤レンガ2階建のコンパクトな西洋館で、小さな前庭もあり、個人美術館としてぴったりの落着いた雰囲気だ。改修工事はまだ始っていなかったが、完成する日が楽しみになってくる。
(本文中写真:川上尚見)
【長崎市野口彌太郎記念美術館】
〈住〉 長崎市平野町7-8 〈電〉095(843)8209
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/noguchi/
野口彌太郎の遺族から1990年に長崎市へ作品が寄贈され、1993年、旧長崎英国領事館(1908年に完成)に美術館が開館した。しかし老朽化が進んだ建物の保存修理のため、2007年より現在の平和会館に仮移転している。長崎は戦後野口がしばしば訪れて創作にふけった地であった。野口自身、生前から長崎に作品を遺したいと念じていたようで、作品とともに寄贈された日記には美術館設立について具体的な動きのあったことが見られるという。旧長崎英国領事館はいくつかの候補地の中で野口の一番のお気に入りであった。
〈開〉 9時~17時 *入館は16時30分まで
〈休〉 月曜(祝日の場合は開館)、年末年始(12/29~1/3)
〈料〉
一般100円 小・中学生50円
■「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
週に一度、「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。