2024年11月22日(金)

赤坂英一の野球丸

2016年11月14日

胃から汗が出るほど練習

 広島の監督だった1999~2000年は、「ホンマの練習は胃から汗が出るまでやるもんじゃ!」と、球団史上最も過酷と言われたほどの猛練習を敢行。大勢の選手が練習中に吐いたり、鼻血を出したりしていたが、時代は変わり、達川ヘッド自身の年齢も還暦を超えた。円熟の域に達した指導者として、どれほど若い捕手を育てられるか、興味を持って見守りたい。

 そう言えば、巨人の村田真一ヘッドコーチも達川ヘッドと同じ捕手出身で、今年でもう52歳になった。こちらは「ヘッドだからと言って、ああしろ、こうしろとは言わない。若いコーチに任せて、彼らのやり方で選手を育てていってほしい」と、一歩引いたところでまとめ役を務めている。昨年のいまごろは監督就任直後だった高橋由伸の要望により、野手は打ち込み、投手は投げ込みなどを中心とした個人練習ばかりだったが、今年は井端弘和内野守備走塁コーチらの進言で、チーム全体で走塁練習に取り組むようになった。

 ちなみに巨人のチーム盗塁数はリーグ4位の62個と、優勝した広島の118個の約半分に過ぎない。優勝奪回を期すなら、何よりも機動力アップは必要不可欠。そういうことをヘッドに直言できるコーチがいるなら、来年の巨人は侮れない。そう言えば、達川ヘッドが捕手を指導しているソフトバンクは、今季の盗塁阻止率が2割6厘。リーグワーストであることはもちろん、近年のプロ野球においても「話にならん」というレベルである。

 ともに2位に終わった巨人、ソフトバンクがこの秋季キャンプを「実りの秋」にできるだろうか。興味のあるファンの方は、ぜひ両チームの練習が行われている宮崎の運動公園に足を運んでみてください。練習はどちらも夜6時過ぎまで延々とやっていますから。

  
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