シリア空爆は今後も続く
このように、ロシア側は、トランプ政権の成立を見込んでシリアへの介入を強化し、トルコとの接近も進めつつある。トランプ政権が実際にどのような対外政策を打ち出すにせよ、今のうちにアサド政権の延命を確実なものとし、対ISIS作戦でロシアの主導権を確立することがその狙いと考えられよう。いずれにしてもアレッポの陥落は時間の問題と見られており、それまでは民間人の被害には顧慮することなく空爆は続くと見られる。
ただ、これがロシアの望む通り、米露の協調による「対テロ戦争」という形にまで持っていけるかどうかは、前述したトランプ政権の具体的な陣容に大きく影響されることになろう。
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