2024年7月16日(火)

ネルソン・コラム From ワシントンD.C.

2010年4月2日

 無分別なイスラエル支持者は何年も前から民主党内の大きな勢力であり、米国のあらゆる政治家にとって、イスラエルの保守政権に協調を迫ることは大きなリスクだった。

テルアビブを訪問したバイデン副大統領と、ネタニヤフ首相の会談

 このため、オバマ大統領が公の場で繰り返しネタニヤフ首相に“説教”した時は、すべての人がこの「新生オバマ」の事実に“気づき”、ホワイトハウスの報道官がわざわざ密室での協議でも同じことが起きたと述べたことにも留意した。
(実際、オバマ大統領は報道陣に、イスラエル首相と一緒の写真を撮ることさえ許さなかった。笑顔のポーズが大統領の厳しいメッセージを損ねることを恐れてのことだ)

 そして先週後半、オバマ大統領はヒラリー・クリントン国務長官をロシアに送り込み、新たな戦略兵器削減条約(START)に調印させた。新条約は超大国である米ロ両国が保有し続けている数千発の核弾頭の廃棄に即刻つながるものではないかもしれないが、両国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)から核弾頭を取り除く合意に向け、有意義な一歩を踏み出す動きではあった。

 これは、パニックや誤った政治判断によって“偶発的な戦争”が起きる可能性を劇的に小さくするという意味で、世界を救う可能性を秘めた重大な合意と言えるだろう。

 また、米ロ核合意は、オバマ大統領の主宰でここワシントンで4月12~13日に開かれる核安全保障サミットの下準備としても良い成果だった。中国の胡錦濤国家主席がサミットへの参加をなかなか決めなかったとあっては、なおのことだ(編集部注:原稿到着直後の4月 1日、胡錦濤国家主席が核安全保障サミットに出席することが決定)。

 胡主席が出席をためらっていた最大の理由は、核兵器削減問題そのものについて中国政府が態度を決められずにいるからだ。これは、昨年暮れのコペンハーゲン気候変動サミットで協議に関与することをためらった胡主席の態度と似ているかもしれない。
(昨年コペンハーゲンで開催されたCOP15の折、胡主席が、オバマ大統領からのトップ対談の要望に対して格下の環境担当責任者を送り込み、その担当者が面と向かって大統領を侮辱した一件を思い出すといい。あれは間違いなくオバマ大統領を怒らせた、実に愚かな行動だった!)

「15」というマジック・ナンバーを操って

 さて、もう1つ、WEDGE Infinityの読者がおそらく聞いたことがないだろう「新生オバマの証拠」がある。

 3月27日、オバマ大統領は米財務省や米国通商代表部(USTR)、その他の政権重要ポストに指名した多くの人々について、上院に承認採決の機会をもう十二分に与えたと判断し、個人的に彼らを任命する大統領権限を発動した。理想的な世界であれば、こうして任命された人は上院によって正式に「承認」され、大統領が望む限り、その地位を全うできる。

 大統領が発動したのは「休会任命」と呼ばれる権限だ。上院が正式かつ合法的な「休会」に入った時に限って、上院の手続きを飛ばして大統領が直接任命できるという議会の原則を利用したのである。


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