声かけする時に押さえておきたい3つのポイント
ただ、なんでもいいというわけではなく、声かけで効果をあげるにはやはり押さえておきたいポイントはあります。ビジネスでのことを思い起こしていただきたいのですが、部下にアドバイスしたり、アルバイトさんに仕事を教えたりする時に、皆さんはどんなことに気を付けていますか?
自分が教えたいように、自分のタイミングで、いきなり話しかけて話し終えたらその場を立ち去る、というやり方をするでしょうか。
おそらく、そんなやり方を選ぶ人はあまりいないと思います。
相手の人に育って欲しければ、まずは、その人のことを「観察」しますよね?
いま担当している仕事について、その人がどこまで理解していて、何が分かっていないのかということを。また、その人がどんな性格の人で、何を大事にしていて、どういった点にプライドを持っているのかといったことを、知りたいという気持ちで、その人のことをよく見るのではないかと思います。
そして次にどうしますか? 見るだけでなく、その人の言葉に「耳を傾ける」のではありませんか?
どんなことを思っていて、いま何が気になっているのかくみ取ろうとする。また、そうして、私はあなたに関心を持っていますよというメッセージを伝えようとする。程度の差はあるにしても、こうして「耳を傾ける」人は多いと思います。
そして、その時の表情はどうでしょう? 相手の人に育って欲しいと考えているとき、どんな表情でアドバイスしますか? したいですか?
「笑顔」を選ぶのではないでしょうか。
仕事を教える時は、相手ができていない時が普通でしょうから、もどかしく思ったり、イライラしてしまったりして、その気持ちが顔に出てしまうのは仕方がありません。それでも、できれば笑顔で接したいと心掛けている方が多数派だと思います。
信頼感が生まれる時
これら「観察する」「耳を傾ける」「笑顔」の3点は、声かけする上で特に心がけたいポイントです。なぜ大切なのかと言えば、「信頼関係づくり」と深く関わっているからです。
人は、自分のことをよく見て、言葉に耳を傾けてくれる人には、自分を尊重してくれているという安心感を覚えます。
関心を持ってくれる人のことを好ましく思います。
笑顔を見せて安心させてくれる人には、心を開けます。
そして、信頼感を抱くようになります。
信頼感を抱けると、相手から渡される言葉を素直に受け取ることができ、気づくこと学ぶことが楽になっていきます。
一昔前でしたら、「上司の命令は絶対」とばかり上意下達の文化に支配された組織の方が多かったかもしれません。しかし今は、「コーチング」や「ファシリテーション」という言葉が市民権を得て、その技術と知識を学び身につけた人も増えています。日々のビジネスシーンにおいて信頼関係づくりを心掛けることも、当たり前になってきていると思います。
その感覚をお子さんとの関係にも生かしてほしいのです。
そうすれば、あなたの声かけによって、お子さんは自分で考え、自分で感じ取り、自分で責任をもって物事に取り組む力を養っていけるようになります。