知事に追い風となるのか
今後、オスプレイが欠陥機であるとの言説が再び高まるだろう。15日付の琉球新報社説はこう指摘する。
「オスプレイは試作段階を含めて墜落事故が相次ぎ、37人が犠牲になっている。この欠陥機が飛び続ければ、墜落などの重大事故は避けられない。安全対策を尽くすといっても新たな犠牲を防ぐ担保にはならない。沖縄の空から消えてもらうしかない」
翁長知事も14日に記者らに対して今回の事故を「起こるべくして起きた」と述べている。もともと欠陥機だと言いたいのであろう。
翁長知事は、米軍北部訓練場をめぐり、東村高江地区でのヘリパッド建設と引き換えでの過半の返還を「苦渋の決断」と述べて容認する姿勢を見せて地元紙や与党の革新各党から激しく批判されるなど、このところ厳しい状況に追い込まれていた。4000ヘクタール近い土地を返還されることに、県知事として反対とはいえないからだ。だが、県議会では野党である自民党の県議らから、辺野古の基地建設にノーと言ってきたこととの整合性がつかないことを指摘され、苦しい答弁を繰り返してきた。
そのなかでの今回の事故である。冒頭で呻いてみせた自民党県議は、「翁長知事は強運の持ち主だ」とも言っていた。この発言は、不謹慎かも知れない。だが、沖縄では事故をきっかけに再び反基地の動きが高まるのは必至だ。そうなれば、翁長知事が再び求心力を取り戻すことになるだろう。
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