一方、イメージングはエンターテイメントにも広く利用されている。2016年のリオ五輪の開会式、閉会式のセレモニーにも同社のビデオプロジェクト技術が用いられた。「2020年の東京五輪でどのようなイメージを披露できるか、待ちきれないほどだ」とこの分野でも自信を見せる。
ディズニーと提携
このイメージング技術により、パナソニックはディズニーとの提携を発表した。今後数年内に同社の技術を用いたディズニーワールド、ディズニーランドでの新たなアトラクションの開発が予定されている。その内容は明らかにされていないが、ディズニーのコンテンツとパナソニックの技術が組み合わさった夢の世界が展開されるかもしれない。
こうしたB2Bの部分でのプレゼンスは十分なのだが、家電メーカーとしてのパナソニックの米国における市場は縮小の傾向にある。LGやサムスンの発表と比較すればその部分は明らかで、スマート家電でIoTを次々に発表する韓国のライバルに対し、今回のCESでパナソニックが発表したのは卓上型のコンベクションオーブンとデジタルカメラ「ルーミックス」の最新型となるGH5のみだった。小型ながら短時間で異なる素材を同時に料理できるオーブン、ライカレンズを使った人気シリーズの最新作ではあるが、話題性には欠ける。
ソリューション・プロバイダーである一方で、創業以来の伝統を守り個人の顧客への家電事業も大事にしていく、というパナソニックだが、今回はスマートハウス系の発表はなく、個々の顧客を対象としたIoTへの取り組みが今後どうなっていくのかが課題と言えるかもしれない。
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