2024年7月25日(木)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2017年1月14日

アメリカファーストの国益とグローバルな国益の矛盾

 米国企業がメキシコをはじめとした国外に工場を移転する、または、中国に製造を委託することにより、米国の雇用が失われることは確かだと思う。

 しかしながら、一方で、金融、IT、ハイテク、医薬など第三次産業の分野では、グローバル化により得ている膨大な利益があるはずで、これは単なる市場効果で得たものだけではなく、他国に干渉することなど、政治的な駆け引きで得る部分も多いはずだ。TPPを一旦破棄しても、その後の交渉でオバマ氏よりも、もっと良い条件を引き出せたら、文句はないのではないだろうか。
 
 米国の歴史を見ると、米国が行ってきた外国に対する干渉は、必ず自国の経済的な利益と表裏一体で、むしろ経済的な利益のために干渉したとも思える部分がある。ペリーの日本開国要求もその主眼はその先にある中国マーケットでの権益確保があり、ペリーの親族も中国とのアヘン貿易で相当儲けていたとの話もある。

 トランプ氏は、アメリカファーストで他国の防衛のためにできるだけ犠牲は払わないようなことを言いつつ、中国の南沙諸島の問題は強く批判している。ということは、南沙諸島問題批判の裏に、何か経済的な利益があるのか? という下衆の勘繰りをしてしまう。

 だから合理的に考えれば、トランプ氏が自国の国益の最大化を考えた場合、結局グローバルな国益に戻らざるをえないのではないかと思えてくる。その時のために、周辺をウォール街出身者で固めているのかもしれない。こう考えると、グローバルで国益を確保するため、軍事面などでの無駄使いは許さずに、できるだけ、安いコストで、他国に干渉し、利益を得る。ということであれば、ビジネスマン大統領としてのトランプ氏の真骨頂なのかもしれない。さらに、ツイッターでのつぶやきはコストが掛からないので、言うことなしであろう。


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