2024年7月20日(土)

チャイナ・ウォッチャーの視点

2017年1月14日

中国を為替管理国として米国の富を奪っていると批判するが
米国の財政は中国が保有する米国国債に支えられている

 私には、トランプ氏にとって、中国が最も米国の覇権を脅かす恐れのある国と見ているからこそ、強硬な発言をしているのではないかと思える。反対に親ロシア的な発言をしているのは、経済面だけで見ればロシアの重要性は低くなるので、その分余裕があるのかとも思えてくる(直近の記者会見でロシアに対するニュアンスは少し変わったような印象もあったが)。

 先に述べた南沙諸島問題も、経済的な駆け引きの材料である部分もあるのだと思う。もちろん、これまでの経緯、米国の世界的な安保体制からいえば大事であることは間違いないが、安保も経済も表裏一体と思えば疑問は解決する。

 トランプ氏のお孫さんが唐詩を暗唱できる(PPAPだけではない!)、中国語を相当流暢に話すという話が中国のメディアで伝わっているが、それが本当だとすれば、ファミリーベースでは中国との接点を考えているとも思える。

ルールに基づく資本主義とディールに基づく資本主義の矛盾

 「中国の締め付けが強まってきた香港のように、アメリカは、既に、法の支配に基づく資本主義から、一貫性のない取引に基づく資本主義への逆行の一歩を踏み出したのかもしれない」(ニューズウィーク日本版)。これは、ハーバード大学の経済学者ローレンスサマーズ氏のトランプ氏に対する懸念を示したものだ。ディール(取引)に基づく資本主義がトランプ氏だとしたら、中国とは波長があうかもしれない。ここが、中国が当初トランプに期待した部分かもしれない。

 中国は、かねてより、現代のさまざまなグローバル経済のルールは、米国をはじめとした西側主要国の権益の上に成り立ったもので、中国は、時にそれとは違い立場を示すこともある、という立場を主張してきたと思う。米国からすれば、それはいいとこ取りで許せないということになるのだと思うが、様々なルールも元はと言えば、個別の取引の積み重ねの中で、出来上がるもの、覇権を持っている人は、往々にして、都合が悪くなれば、ルールを変えることもある。だとすれば、どっちもどっち、とも思えてしまう。

  さて、小国日本の弱小企業のビジネスマンである私は、これからどうやってこうした矛盾の間をどう泳ぎ回ればいいのか? 今後、中国と米国の友人たちの意見も聞いて見たいと思う。

  
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