日本の左翼系市民団体とも連携し
大阪の政権反対集会や沖縄の辺野古も訪問
彼らの「韓国外」活動は北朝鮮だけに留まらない。彼らは日本の団体とも連携し活動している。日本では「同胞一つ」という団体名に翻訳、紹介されているキョレハナは、日本国内のいくつもの団体と交流を持ち、集会などにもしばしば顔を出している。
例えば、キョレハナの大学生組織「大学生キョレハナ」の会員たちは、2016年10月には安倍政権打倒、辺野古基地反対を掲げる大阪の「団結まつり」に日本の市民団体会員たちとともに参加している。この時交流した日本国内の団体にZENKO(平和と民主主義をめざす全国交歓会)がある。彼らの活動内容は日本の左翼組織、民主主義的社会主義運動 (Movement for Democratic Socialism、MDS)のホームページにも詳しく紹介されている。
また、2016年3月にキョレハナが企画した沖縄ツアーでは、在日韓国人2世の徐勝教授(立命館大学特任教授)が参加者たちを連れて沖縄を訪問し、辺野古基地反対運動の現場を訪れている。京都出身の徐勝教授は韓国に留学していた1971年、国家保安法違反容疑で逮捕され、懲役19年の実刑判決を受けた「学園浸透スパイ団事件」で知られる人物である。
実は韓国マスコミも今回の少女像設置を主導した市民団体については具体的な報道をしていない。このため、一般的な国民はただ「慰安婦を支援する団体」と認識するだけで、その団体の設立目的や主要活動が「北朝鮮支援」だということには気づいていない。これは日本も同じ状況だと思われるが、両国のマスコミは彼らの「副業=慰安婦像設置」だけではなく、「本業=北朝鮮支援」、そして連携している日本の団体についてもちゃんと国民に事実を伝えるべきだろう。
現在、韓国は政治、経済、文化等、全般的政局運営に影響を与えたという疑惑が持たれている「崔順実スキャンダル」で大混乱に陥っている状況だ。マスコミの報道だけ見ていると、まるで崔順実が韓国のすべての物事を操っていた全知全能の存在であったかのようにすら思えてくる。だが、実際のところいくら崔順実の権力が莫大なものだったとしても「外交」においてはどうだろうか。
少なくとも私には、影の実力者と言われている崔氏より日韓両国の外交関係を険悪な状況に陥れ、両国民間の心理的距離を広げたこの「市民団体」の影響力の方が恐ろしく思えてならない。
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