米国旗と紋章外す
こうした批判を意識してか、トランプ氏は安倍首相とのゴルフ場への移動に使った大統領専用車「ビースト」の前部に取り付けてある米国旗を外し、また車のドアに通常付けられている大統領の紋章もはがした。首相とのゴルフがあくまでもプライベートであることを示すための措置だった。
トランプ氏にこうした公私混同の批判が出るのは、同氏には常にビジネスなどとの利益相反や公職者に不可欠な倫理観の欠如が散見されるからにほかならない。娘イバンカ・ブランドの商品購入をめぐる騒動はその恒例だ。
イバンカさんはファッション・ブランド「イバンカ・トランプ」の商品を販売しているが、高級百貨店ノードストロムが最近、同商品の販売中止を決定した。これに怒ったトランプ氏は2月8日「イバンカは極めて不当な扱いを受けている。ひどい」と、大統領の職権乱用とも受け取られかねないようなツイートを発信。
さらに大統領の信頼の厚さを売り物にするコンウエー大統領顧問が悪のり。テレビ出演で「買い物嫌いの私も今日何か買う。みんなも買って。オンラインでも買えるから」と、イバンカ商品の購入を視聴者に呼び掛けた。
米国では、政府職員は公的立場で友人や個人的な利益を図ってはならないと倫理法で定められており、同顧問の行動はこれに違反する疑いが濃厚。このため議会の指摘を受けた政府倫理局が倫理規定に違反していないかどうかについて調査を開始したばかりだ。
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