じつは、私事で恐縮ですが私が4歳の時に父が死亡し、その後は母に2歳上の姉とともに育てられました。
いわゆる母子家庭です。
母は住み込みで米軍基地の将校宅でメイドをしました。
ですから、月曜日から金曜日の夕方までは母がいなくてとても寂しかったことが、今は亡き母の思い出とともに心にうかびます。
貧しかったことから、高校は都立一本で受験して合格しました。
授業料は、貸し付け奨学金を母が借りて賄ってくれました。
私が20歳のころ、ポストに一枚の葉書が投かんされていました。
それは、奨学金の完済通知でした。
母が返済し続けてくれていたのです。
「完済いただきありがとうございました」といったような文面が目に飛び込み、母への感謝と申し訳なさから涙がこぼれました。
そんな生い立ちからなのか、母子家庭や貧困家庭の低収入も一因となっているであろう子どもたちの低学力問題は、「秋津・地域であそぼう!」教室とは何の関係もありませんが、どうしても気になるのです。
「放課後子ども教室」として国は事業を継続
さて、国はこの「地域子ども教室推進事業」の成果から、事業終了の翌年2007(平成19)年度より、新たに「放課後子ども教室」を開始し、その後も継続して今日も続いています。
事業開始の当時、講演先の地方の子ども関連団体の人が憤慨しながらいいました。
「校長さんがね、『土曜日は休校日なので放課後がないから学校は貸せません』というんだよ」と。
「なんと了見が狭く、杓子定規な校長さんなんだろう」と、思わずいってしまいました。
文部科学省の当時のこの事業の主旨には、このようなことを謳います。
「小学校の余裕教室等を活用して、地域の方々の参画を得て、子どもたちと共に学習やスポーツ・文化活動、住民との交流活動等の取り組みを行うものです。何を行うかは各地域で決めていただきます」。
ね、「小学校の余裕教室等を活用し」の文言が明確に打ち出されているにも関わらずなんですからね。