「子縁」でつながる秋津地域のお父さん 

2017年3月29日

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岸 裕司 (きし・ゆうじ)

秋津コミュニティ顧問

1952年東京生まれ。広告・デザイン会社の(株)パンゲア代表取締役、習志野市立秋津小学校PTA会長時に秋津コミュニティ創設、会長を経て現在顧問兼秋津小学校コミュニティルーム運営委員会顧問。文部科学省委嘱コミュニティ・スクール推進員、学校と地域の融合教育研究会副会長、埼玉大学・日本大学非常勤講師、ほか。著書に『「地域暮らし」宣言』『学校を基地にお父さんのまちづくり』(ともに太郎次郎社エディタス)、『学校開放でまち育て』(学芸出版社)など。

「土曜日事業」も秋津がひとつのモデル

 さらには、2014(平成26)年度からは新規に「土曜日事業」が開始されました。

 先の校長さんの「土曜日は休校日なので放課後がない」のような、学校側の意見が反映したのかどうかは定かではありませんが。

 その主旨は、以下です。

 「文部科学省では、全ての子供たちの土曜日の豊かな教育環境の実現に向け、『土曜授業に関する検討チーム』の結果を受け、学校教育法施行規則を平成25年11月に改正し、設置者の判断により、土曜授業を行うことが可能であることをより明確化しました」。

 ようするに、2002年度から土曜日全休の完全学校週五日制を実施してきたとはいえ、授業時数減からくる(と思われている)学力低下問題からの「圧力」により、わざわざ学校教育法施行規則を「改正」してまで土曜日も授業をやってもよいことへと転換したのです。

 しかし、この事業は、「土曜授業を行うことが可能である」と謳い、授業外の社会教育活動としても予算が付きます。

 平たくいえば、学校施設は開放するけど、教育課程外の社会教育ですから先生は出てこなくてもよいですよ、との「逃げ」も打ち出している苦肉の施策なんですね。

 ところで秋津コミュニティは、これらの施策の以前から、放課後も土曜日・日曜日も夏休みなどの長期休日も、さまざまな独自の子どもと大人がともに楽しむ事業を任意の社会教育として秋津小学校を舞台に実践してきました。

 もちろん休日は先生の権利ですから「お休みください」であり、「でも学校施設はお借りしますよ」の理念でやってきました。

 そんなことから、ある文部官僚にいわれたことがあります。

 「秋津をモデルに放課後子ども教室や社会教育としての土曜日事業も可能なように組み立て推進しているけれど、地域によって温度差があり秋津のような住民自治にはなかなかいかないんだよね」と。

デイリー・デモクラシーの積み重ねが秋津モデル

 この「地域によって温度差があり秋津のような住民自治にはなかなかいかない」とは、どういうことなんでしょうか。

 多分、先にデンマークを引き合いに出したデイリー・デモクラシーの違いではないかと思います。

 デイリー・デモクラシーとは、私の造語です。

 日々の生活は雑々としたことばかりで、必ずしもやりたいことばかりではありません。

 でも、そこから逃げないで、近未来を自分たちの行動で良くしていこうとの意志を持ち行動する姿勢と実践をデイリー・デモクラシーと名付けました。

 たとえば、PTAも、退会せずに文句ばかりで改革もせず役員にもなりたがらない主体性のない生き方は、デイリー・デモクラティックな生き方とはいえません。

 面倒くさいことも時には前向きに気分を変えて引き受け、そこから新たな展望や自分の成長が見えてくることもありますから。

 背後でお子さんはそんな親の生き方をデイリーで見ることによりデモクラティックに育っていきます。

 幸いにもお子さんをお持ちのみなさんには、デイリー・デモクラシーを考えていただけたらと思います。

 てなことで、では次回が最終回となります。アディオス! アミ~ゴ!

  
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