その半面、技の難度は年々加速度的に上がっていく一方だ。3回転までで優勝できたのは2010年バンクーバー冬季五輪のエヴァン・ライサチェク(アメリカ)が最後。その後は4回転が連発される傾向に拍車がかかって、世界選手権で優勝した羽生は4回転を4度もやった上、「5個目をやろうと思ったがしんどかった」と話している。その上、「科学的に言えば、人間は5回転まで跳べるらしい」と発言しているのだから、感心するというかあきれてしまうというか、やっぱり羽生はスゴイと言うしかない、というか。
オレ流を真似するな
世界的トップのプロが自らの限界に挑む姿は美しい。しかし、子供が闇雲にそれを真似してはいけないし、指導者がきちんと戒める必要がある。ここで、最後にまた野球に話を戻すと、三冠王を3度獲得した大打者・落合博満氏(昨年まで中日GM)はかつて、自分の「神主打法」についてこう言っていた。
「子供がやったらケガをする。手首を痛めるぞ。絶対真似をしないように」(著書『なんと言われようとオレ流さ』より抜粋)
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