――なるほど。中国人にとって予約や支払いの心配が解消され、日本の飲食店にとっても、代金を支払ってもらえないリスクや言語の心配がなくなるわけですね?
董氏:その通りです。中国人のお客様は中国語でメニューを決められますし、お店の特徴やアクセス、一押しメニューなども把握できます。また、飲食店にとっても、お客様からの支払いが完了していれば、万が一、来店されないことがあったとしても、金銭的なリスクを負うことがありません。わざわざ来日する中国人は、せっかく日本旅行に来たのだからと、価格が高めのコース料理を注文することも多いので、客単価も上がる傾向があります。飲食店にとっては売り上げ拡大につながり、リスクはゼロ。お互いにとってwin-winだと思います。
――中国のオンライン予約サイトの利点をそのまま日本に持ち込んだのですね。
董氏:そういえると思います。中国の飲食店情報サイトでは、予約だけも可能ですが、最初に支払いをしてしまうこともよくあります。これも飲食店側にとってはリスクが低減されるよい仕組みだと思います。日本ではほとんどないのですが、中国に限らず、海外ではこのような仕組みのほうが一般的だと思います。
また、日本の飲食店情報サイトにとって、私たちは脅威にはなりません。日本のサイトはメディアとしての位置づけですが、私たちはあくまでも中国からの予約の窓口であり、決済サービスの役割が中心だからです。
――今後はどのようなことに取り組んでいく予定ですか?
董氏:この2つの事業を中心として、ウィーチャットの公式アカウントを作りました。フォロワーは現時点で約3万人ですが、情報を充実させて、アカウントを拡大し、飲食だけでなく、美容、不動産、観光などあらゆる情報を網羅・発信していきたいと思っています。また、予約したお客様のビッグデータを持っていることが弊社の強みですので、「旅前」に日本の飲食店などの認知度をアップさせたり、送客に結びつけるための策を講じたりするなど、コンサルティング事業も立ち上げたいと思っています。私自身、もともとコンサルタントをしていましたので、そうした経験も生かして、さらに、越境ECにも取り組んでいきたいと考えています。
――飲食店の予約代行を核に、あらゆるビジネスに広がっていきそうですね。
董氏:そうですね。旅行は誰にとっても幸せな体験です。まず「胃袋」で人と人、人とお店をつないでいきたいと思います。今後は中国語だけでなく、いろいろな言語での予約を可能にしてもっと利便性を高め、「飲食業界のUber(ウーバー)」を目指していきたいと思っています。
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