オーナーの家で“タイスキ・パーティー”
10月17日。ゲストハウスの女子マネージャーから「今晩、オーナーの家でタイスキ・パーティーをするから一緒に行きましょう」とのお誘いを頂いた。この時期は丁度端境期でゲストハウスも客が少ない由。このマネージャーは以前メキシコに留学してスペイン語を習得、それから数年米国で働いた経験もあるという話好きである。
女子マネージャーの運転するスクーターの後ろに乗って、路地を抜けてメイン通りを少し走って高級住宅地が並んでいる地区へ移動。どうも女子にバイクに乗せてもらうのは面映い。しばらくして広い庭のある邸宅の前で停車。
タイの新興中産階級とは
タイスキとは“しゃぶしゃぶ”に似た料理である。野菜、キノコ、スライスした肉、肉団子、海鮮類、うどん等を鍋に入れてタレに付けて食べる。既にテーブルに食材や鍋が用意されていた。
このパーティーの趣旨は、オーナーと婚約者が結婚式の前に主な従業員を呼んで慰労するものであった。他に番頭の男性と男子マネージャーが呼ばれていた。オーナーはバンコク出身の技術者でIT企業を経営。婚約者は地元ホアヒンの出身で、オーナーがホアヒンに遊びに来た時に知り合った。
オーナー氏は若くして財を成し、ホアヒンでゲストハウスを経営することを思い立った。住宅地の邸宅も繁忙期には一部の部屋に長期逗留客を受け容れるように設計してある。婚約者が実質的な経営者として采配を振るっている。
オーナーは多趣味でクラッシックバイク収集はその一つという。ゲストハウスにはハーレーやドゥカッティーのオールドモデルなどが並んでいた。邸宅にも1960年代のホンダやBWMなど4~5台の名車が置いてある。
国が経済成長の波に乗っている時には、彼のような青年実業家がどんどん輩出してさらに経済を押し上げていくのであろう。アジアの経済興隆を実感したタイスキの食卓であった。
⇒第3回に続く
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