2024年11月22日(金)

古希バックパッカー海外放浪記

2018年2月4日

フィリピン南部諸島とボルネオ島北部は一衣帯水

 11月21日。KKのゲストハウスで相部屋となったフィリピン人船員(一等機関士)は休暇でアジア最高峰のキナバル山登山に来た好青年。コタキナバルの対岸の島に海上家屋が密集する漁民集落があるが、彼らはフィリピン系漁民で英国領時代に定住したと教えてくれた。

 さらに彼によるとフィリピン南部の諸島とボルネオ島サバ州北部沿岸は同族であり言語や稲作技術などを共有しているという。

コタキナバルの目抜き通りで名物のサンデーマーケットで支援を訴えるロヒンギャ族の若者達

マレーシア海上警察(Marine Police)の激務

海洋警察のサバ州管区司令官。フレンドリーな親日的エリート

 11月23日。ひょんなことからサバ州管区海上警察の司令官(commander)なる御仁を表敬訪問することになった。マレーシアはインドネシア、フィリピンと領海が接している上に、中国も一部海域で領有を主張しており海上警察(日本の海上保安庁に相当するらしい)は多忙だ。

 司令官氏は米国留学経験あり、日本の海上保安庁がアジア各国の沿岸警備隊(coast guard)の幹部を招待して開催しているセミナーにも参加した親日家であった。

 折しも表敬訪問の数日前にマレーシアのナジブ首相が来日して、日本から大型巡視船が無償供与されたと現地の新聞に載っていた。

サバ州警察本部の警察学校の訓練

 司令官氏によるとサバ州管区での喫緊の課題は領海を接しているフィリピンのイスラム過激派の取り締まりという。資金稼ぎのためにマレーシアの漁民や外国人観光客を誘拐して身代金を要求するという。政治的目的よりも金目当ての海賊行為というのが実態だ。

 さらに中国の密漁船(poaching boat)、北朝鮮の不審船はじめ国籍不明の貨物船など様々な対象を監視しなければならず、現場の小型巡視艇搭乗員は寝る暇がないほどの激務という。平和で長閑に見える南洋の海は魑魅魍魎のようだ。

⇒第4回に続く

  
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