まさに地域の人と人の出会いの場。「つなぐ専門家」たる所以だ。自身も最初の頃は地元に3人しか友達がいなかったという中島さんだが、今では知り合いも増えた。としま会議のゲストはのべ150人を超える。
「でも、最初から『地域活性化のために』と思って始めたわけではありません。せっかく自分が住んでいるまちだから、楽しくなればいいな、という思いが先にありました」
「地方創生」「地域活性化」と聞くと、何だか壮大で自分とは遠い話のように聞こえがちかもしれない。しかし本当はそうではなく、「自分が住んでいて面白いまちになればいいな」という案外「自分本位」な思いから始まるものなのかもしれない。それで何ら問題ない。住んでいる人が楽しめないまちが、発展していくわけがないだろう。
地方創生は「地方」だけの話ではない
さらに中島さんは続ける。「僕は40歳になりますが、同年代の友人たちが東日本大震災、コミュニティを求めて地方に移住した、という話を聞くことが少なくありませんでした。もちろんそれを否定するわけではありませんが、一方で、いつでもユートピアを求めてしまうと生きるのが辛くなってしまうとも思うのです。『住めば都』ではないですが自分が今住んでいるところに可能性があるのでは、と考えています」
「最近は地方創生ブームと言いますか、移住促進など地域が競い合っているように見えます。雑誌で移住特集をすればそれは必ずと言っていいほど地方の話。東京にもたくさんまちがあるのだから、東京のコミュニティの事例を作りたいと思っています」
かつては消滅可能性都市として唯一23区で選ばれてしまった豊島区だが、今では東京のコミュニティの先進事例になりつつあると言っても過言ではないだろう。
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