メイドインニッポン漫遊録 「ひととき」より

2018年4月26日

»著者プロフィール
閉じる

いであつし (いで・あつし)

コラムニスト

1961年、静岡県生まれ。コピーライター、「ポパイ」編集部を経て、コラムニストに。共著に『“ナウ”のトリセツ いであつし&綿谷画伯の勝手な流行事典 長い?短い?“イマどき”の賞味期限』(世界文化社)など。
 

 そう語るのは、創喜の5代目社長の耕平さん。石井さんとは同世代。若い感性でメイドイン広陵町のソックスを世界に広めていきたいという思いに共感して、細かい注文にも応えてくれる頼もしい若き靴下職人だ。

 工場を見学させてもらうと、「ロッソ」という作業は、なんと地元のお母さんたちが一足一足丁寧に手でつま先を縫って仕上げている。出来たばかりのロトトのソックスを見せてもらう。これです、これこれ。太畝(ふとうね)のリブのローゲージソックスって英国製ではよくあるけども、日本製はなかなかなかったんですよ。

最後の仕上げは1足1足手作業で行われている

 次に石井さんが案内してくれたのは、広陵町で長くスポーツソックスの製造を手掛けている「ウエダ」の工場。こちらはコンピュータ化した最新式の靴下編機が倉庫のような広い工場にズラリと並んでいて、カシャカシャと自動で靴下を次々と編んでいる。

 「いやぁ、初めて石井さんが靴下を作ってほしいと当社に訪ねてきた時は驚きましたよ。だってうちは野球用やバスケット用などスポーツソックスを作っている会社ですからね」

 そう言って工場を案内してくれたのは部長の浦岡良美さん。しかし浦岡さんもまた石井さんの「スポーツソックス用の編機でお洒落なカジュアルソックスを作れないか」という発想に共感して社長に提案、最初は面白がって作ってみたのだが、今や主力製品である。

(写真左)工場を案内してくれるいかにも会社の部長さんといった感じの浦岡良美さん
(写真右)ウエダのコンピュータ化された最新の編機。針とギアの組み合わせだけで、ほぼ完成品の状態で靴下が編み上がる

 それもこれも、石井さんが職人さんたちとの話し合いを一番大切にしているからこそ、できるのであろう。だからロトトのソックスの製品タグには「日本製(奈良県産)」と、わざわざ産地名まで記入されているのだ。

 あ、そうだそうだ、石井さん、ブランド名のロトトの意味って何ですか?

 「漢字の〝足〟を分解して、カタカナにしてロとトとトです(笑)」

広陵町散策
(写真上左)広陵町はかぐや姫の町でもあるそう。はしお元気村にて
(写真上右)ウエダの浦岡さんお薦め、金峰閣の四川マーボー豆腐と担々麺(白ごま)。ランチはボリューム満点 ☎0745-57-1299 11時~22時 定休日:月曜
(写真下)いくつもの古墳がある馬見丘陵公園。広大な園内は歩きでがあります

(写真・阿部吉泰)

●株式会社ジャーミネイション
<所在地>大阪市西区南堀江 1-12-4 ARTCUBE 403
☎06-6585-9660
<URL>http://www.rototo.jp/
●株式会社創喜 奈良県北葛城郡広陵町疋相6-5
☎0745-55-1501
●株式会社ウエダ 広陵町笠222-1
☎0745-55-2121

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

◆「ひととき」2018年4月号より

関連記事

新着記事

»もっと見る