米朝首脳会談と中間選挙
トランプ大統領は、自身のツイッターに「米朝首脳会談を楽しみにしている」と書き込み、会談に強い意欲を示すと、トランプ支持者は次のように再投稿して絶賛しました。
「トランプは1つの核も落とさずに北朝鮮を交渉のテーブルにつかせた。誰もそんなことが起きるとは考えなかった。力が機能する!」
保守系の米FOXニュースが行った世論調査(3月18-21日実施)によりますと、63%が米朝首脳会談を支持し、不支持の30%を33ポイントも上回っています。「どちらがより良い取引を行うのか」という同調査の質問に対して、42%がトランプ大統領、26%が金委員長、19%が「どちらでもない」、14%が「分からない」と回答しました。熱狂的なトランプ信者の中には、トランプ氏が「ガンジー、マンデラ、キング牧師と並んで歴史上の偉大な調停者になる」とみている信者もいます。
では、トランプ大統領は上下両院で過半数を維持するためには、米朝首脳会談後に、何ポイントの支持率増加が必要になるのでしょうか。
前述しましたように、1998年と2002年の中間選挙で現職大統領が勝利を収めました。米世論調査会社ギャラップの調査(1998年10月29-11月1日)によりますと、クリントン大統領が下院で5議席を上積みした時の支持率は66%でした。他のギャラップの調査(2002年10月31-11月3日)では、ジョージ・W・ブッシュ大統領が上院で2議席、下院で8議席伸ばした時の支持率は63%です。
ギャラップの世論調査(2018年4月2-8日)をみますと、トランプ大統領の支持率は41%です。従って、中間選挙で過半数を守るには、米朝首脳会議後に少なくとも支持率を22ポイント高め、その数字を11月6日の投票日まで維持していく必要があります。民主党の勢いや選挙戦略に加えて、必要な支持率の上げ幅を考えますと、今回の中間選挙でトランプ氏にかなり厳しい「審判」が下されても、納得がいきます。