2022年8月18日(木)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2018年5月1日

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佐藤達夫 (さとう・たつお)

食生活ジャーナリスト

1947年5月30日、千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)、食生活ジャーナリストの会事務局長。主な著書共著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)、『栄養と健康のウソホント』(一般社団法人家の光協会)、『これが糖血病だ!』(女子栄養大学出版部)、『安全な食品の選び方・食べ方事典』(成美堂出版)、『野菜の学校』(岩波書店)、『新しい食品表示の見方がよくわかる本』(中経出版)ほか多数。講演活動では、「あなたはなぜやせられないか?」「生活習慣病は自分で治す」など肥満や糖尿病のメカニズムや、「健康長寿のための食事と生活」という食生活と健康にまつわる最新情報を、医師の視線ではなく、一般の人にわかりやすいことばで提供する。あるいは、健康を保つ上で欠かせない技術としての「安全な食品の選び方」や「食品表示の見方」あるいは「健康にいい野菜の栄養情報」を、やさしく解説する。また、長年、女性雑誌を編集してきた立場から、「男性の家事が社会を変える」「中高年からの二人暮らし」などのテーマで、男性の家庭内自立を説く。

「ヘルシー」といってよいのは「低塩」だけ

動物性の食材でヘルシーと表現されるものには、鶏の胸肉やささ身がある(これはもも肉と比較される)。
豚の肩肉もバラ肉との比較で、ヘルシーと表現されることがある。
こちらは、低脂肪=低カロリー=ヘルシーという(よくある)構図に、プラスして「動物性脂肪が少ないので二重にヘルシー」という概念が入っているかもしれない。

動物性脂肪の過剰摂取は心臓病(虚血性心疾患)のリスクであることはわかっているが、適量の摂取は必要だ。
繰り返しになるが、動物性脂肪を過剰に摂取している人にとっては、動物性脂肪の少ない食材は「ヘルシー」だといえるが、そうでない人にとっては、それは別にヘルシーな食材ではない。

これは「他の栄養素」でも同じことがいえる。

栄養素に関して「ヘルシー」と表現されることが多いのは、脂肪が少ないこと・糖質が少ないこと・炭水化物が少ないこと・糖分が少ないことそして塩分が少ないこと等々(糖質と炭水化物の違いについては前回【http://wedge.ismedia.jp/articles/-/12359】参照のこと)。
ここで重要な指摘をしておきたいのだが、「ヘルシー」と表現されるのが、それぞれの栄養素について“少ない”場合であることだ。
私たちは必要な栄養素を食品から摂取して生存しているのだから、常識的に考えれば含有量が“多い”ほうが「ヘルシー」であるはずだ。

いったい私たち日本人は、栄養成分をそんなに「とりすぎている」のだろうか? あくまでも平均値で見るしかないのだが、「日本人は各栄養素をこれくらい摂取するのがいい」という基準である『日本人の栄養摂取基準(2015年)』【※2】と、「日本人は現在これくらいの栄養素を摂取している」という『国民健康・栄養調査結果(平成27年)』【※3】とを比べてみると、明らかに過剰摂取であるのは食塩(塩分)くらいで、それ以外は「まあまあ」という範囲に入っている。

こういうデータからは「低塩」であれば、多くの日本人にとって「ヘルシー」といえるだろう。

逆に「不足している」栄養成分はカルシウムと食物繊維がある。
「低カロリー」ということではなく「食物繊維を多くとれる」という意味なら、いも類・豆類・海藻類・こんにゃく類・雑穀類・野菜類・果物類を「ヘルシー」といえないこともない。

【※2】http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000041733.html

【※3】http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000142359.html

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