「低カロリー=ヘルシー」なのではない
「ヘルシー」という言葉がもてはやされている。
筆者は、料理や食の場面で使われている「ヘルシー」に、じつは大きな違和感を抱いている。
誤った認識からは正しい結論が得られない。
マスコミやネット上で「ヘルシー」という言葉がどういう状況で使われているかを調べてみた。
圧倒的に多いのが「低カロリーである」という意味。
性別を問わず、生活習慣病の治療あるいは予防のために減量が必要な人にとっては低カロリーの食事は、たしかにヘルシーだ。
問題は「とにかくスリムになりたい」という女性の食事法。
「これをしてはいけない」わけではなく、実行するのは個人(大人の場合に限る)の自由だが、それをヘルシーと表現してはならない。
健康的とされている体重【※1】の下限ギリギリの人が、それ以下にダイエットするのはヘルシーではなく「不健康」である。
もう少し詳しく分類してみよう。
ヘルシーと表現されている「食材」には次のようなものがある。
野菜全般・海藻類・きのこ類・こんにゃく類・豆類・豆腐やおからや納豆など。
お気づきと思うが、圧倒的に植物性食品に多い。
植物性食品が動物性食品よりもヘルシーだという誤解は、いつ・なぜに生ずるようになったのだろうか?
もし、動物性食品を食べすぎて栄養バランスが偏っている人がいたら、その人にとっては、植物性食品はヘルシーである。
しかしそうではない人、たとえばアフリカや南米で、毎日、芋や豆や穀物や野菜ばかり食べている子どもたちにとって、これらの食品はヘルシーでも何でもなく、動物性食品こそがヘルシーである。
わざとらしくアフリカや南米の例を出さずとも、日本でもそういう子どもは(大人も)大勢いる。
「植物性食品がヘルシーである」などということはけっしてないのだ。