2024年11月22日(金)

赤坂英一の野球丸

2018年5月2日

ささやかれた〝夢〟

 ちなみに、その熊崎氏のあとを受け、昨年11月に就任した第14代の斉藤惇氏は元証券取引所グループ社長。富士銀行頭取だった第6代の金子鋭氏(1976~79年)以来、約40年ぶりの財界出身コミッショナーとなった。

 星野さんの発言は、マスコミ相手のリップサービスだった側面も多分にあるが、球界やマスコミの一部関係者に一考に値する意見と受け止められたのも確かだ。球界に不案内な政財界の〝お偉方〟に来てもらうより、ユニホーム組から身を起こし、引退後もそれなりの社会的地位を築いた球界人こそコミッショナーにふさわしい、という意見には一理ある。

 星野さんが楽天の監督を経て球団副会長となってからも、コミッショナー就任説は水面下でささやかれ続けた。一方で、「国民栄誉賞の衣笠さんにコミッショナーになってもらってはどうか」という声も聞いた。球界内部で本格的に議論されたわけではなく、実現の可能性はほとんどなかったにせよ、一時代を築いた「燃える男」や「鉄人」だからこそささやかれた〝夢〟ではあった。

  
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