中島恵の「中国最新トレンド事情」

2018年6月5日

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中島恵 (なかじま・けい)

ジャーナリスト

1967年山梨県生まれ。新聞記者を経てフリージャーナリスト。主な著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』(ともに日本経済新聞出版社)、『爆買い後、彼らはどこに向かうのか?』(プレジデント社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』『中国人エリートは日本をめざす』(ともに中央公論新社)、『なぜ中国人は財布を持たないのか』(日本経済新聞出版社)、『中国人富裕層はなぜ「日本の老舗」が好きなのか』(プレジデント社)『日本の「中国人」社会』(日本経済新聞出版社)などがある。

両親とともに伝統的な赤い婚礼衣装を着る

 衣装は中国の伝統的な婚礼服をまとった。真っ赤な絹に刺繍を施したもので、レンタルもあるが、劉さんは刺繍で有名な蘇州まで出かけて購入。1週間ほどで制作してもらったというお気に入りだ。披露宴用の衣装も上海で購入した。購入したのは「記念日にまた着られるから」。ホテルでの披露宴は通常、日本と同じように、そのホテルと契約している婚礼会社が取り仕切るようになっている。劉さんの場合も同様だったが、遠方でもあるため、費用も含めて、多くは実家の両親が面倒を見てくれたという。宴席は15テーブルで、大勢の親戚や友人などを招待した。

 ちなみに、劉さんによると、同世代の友人の結婚式に出席する場合、ご祝儀は「親戚や親友ならば1000元~2000元(約1万7000円~約3万4000円)くらい。普通の友人なら600元(約1万円)くらい」だそうだ。上海の別の同世代の女性(上海生まれ、上海育ち)にも聞いてみたところ、彼女の場合は「600~800元(約1万円~約1万4000円)くらい」との回答だった。

 お年玉などの場合も同じだが、中国は日本と違い、「ご祝儀の相場」が決まっているわけではない。個人によって収入に大きな開きがある中国では、自分が出せる分でよい、という認識があり、必ず皆と横並びでなければならないというわけではない。中国では偶数の金額にして送ることが多いが、やはり4という数字は避けるため、400元というご祝儀はないそうだ。結婚式のご祝儀はアリペイやウィーチャットペイなどのモバイル送金ではなく、伝統的な紅包(赤いお祝い用の袋)に現金を入れて渡すとも聞いた。こうした点は今も昔と変わっていない。

夫の故郷では白いウエディングドレスで

 2週間ほど間をあけて、夫の故郷である河南省に移動して結婚披露宴を行った。劉さんの夫は32歳。高校卒業後、河南省内の大都市に出て最初の仕事を始めた。上海に出てきたのは8年前だ。スイッチの会社に勤務したのがきっかけで、独立して照明の会社を設立。今はオフィスビルなどの照明の受注が多く、経済的な余裕もできてきた。

 夫の実家は河南省の中でもとくに田舎の小さな町だ。ここでは夫の祖父の自宅を飾りつけして、即席の結婚式場にした。「長男だから、ぜひ家でやってほしい」という父親や祖父からの切なる希望だった。自宅に舞台を作り、結婚式用の飾りつけなどを行い、料理などを持ち込んでお昼ごろから始まった披露宴は夕方まで続いた。河南省での衣装は白いウエディングドレス。中国ではもともと結婚衣装といえば赤い中国服が多かったが、10年以上前から欧米式の白いウエディングドレスを着る女性が増えており、今では日本のように、ガーデンウエディングやレストランウエディングも盛んになっている。大都市では、どちらかというと白いウエディングドレスを着るほうが主流になっており、若い女性に人気だ。

白いウェディングドレスも中国人の間で人気

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