世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年6月20日

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 本演説は、名指しこそしていないが中国の南シナ海での行動を強く批判し、国際法の遵守、価値観の共有を強調しており、良い内容であると評価できる。

 演説でハルリ国防相は、フランス海軍の南シナ海における「航行の自由作戦」実施を明らかにしている。それは英国と共同で実施された由である。英国のウィリアムソン国防相も、インド太平洋への英国の関与を強化する旨、演説で述べた。ウィリアムソンは、この地域でのフランスとの協力を謳うとともに、「フランスが昨年5隻派遣したと聞いて、英国は6隻出す必要があると思う。英海軍は、地域の友邦、同盟国と協力し、国際的な権利と自由を保護する我々の決意を示すことになろう」と言っている。欧州の主要国が、海洋における国際規範の遵守を強く主張するとともに、言葉だけでなく実行に移すようになっている潮流が見て取れる。

 フランスは、数年前までは経済関係を重視して中国寄りの姿勢をとっていたが、大きく様変わりした。ハルリ国防相は、インド太平洋における重要なパートナー国として、特に、インド、豪州、日本を挙げている。7月には、日仏は、安倍総理が訪仏しマクロン大統領と首脳会談をする際に、海洋対話を創設する方針であると報じられている。同対話は、自衛隊とフランス軍の共同訓練、エネルギー資源開発など、インド太平洋における広範な分野における協力強化について協議する場となる見込みであるという。日仏間の防衛協力の更なる進展が期待される。

  
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