2018年3月10日から12日まで、フランスのマクロン大統領は国賓としてインドを訪問した。その際、3月10日には、仏印共同声明が発表されたので、その一部、「戦略的パートナーシップ」について、紹介する。
仏印両国は、秘密情報保護協定に調印するとともに、閣僚級の防衛対話を毎年開催することに合意した。両首脳は、「インド洋地域における仏印協力の戦略ビジョン」の策定を歓迎する。国際法に基づき、海上におけるテロや海賊に対処する等、国際シーレーンの安全を守るために、このような仏印協力は不可欠である。
仏印両首脳は、両国軍の間の「後方支援相互提供協定」の調印を歓迎する。この協定は、両国間の防衛関係の戦略的成熟度を示す象徴的なものである。
両首脳は、定期的な合同軍事演習の重要性を強調した。そして、2017年4月にフランスで開催されたヴァルーナ海軍演習及び2018年1月のシャクティ陸軍演習の成功を歓迎した。また、数週間後には、インドで新たにヴォルーナ海軍演習が行わる予定であり、来年2019年には、フランスでガルーダ空軍演習が計画されている。
両首脳は、ラファール戦闘機を含む装備品調達が順調に進んでいることに満足の意を示した。また、両首脳は、カルヴァリ級潜水艦、インド製初のスコルピーヌ型潜水艦がフランスの造船会社の協力のもとに建造されることを確認した。
インドの「インドで作ろう(Make in India)」構想は、仏印両国の防衛企業が装備品の共同開発や共同生産を行なう貴重な機会を提供した。ORDOとSAFRANが協議中の戦闘機に関しては、早期に良き結果が出ることを望む。
両首脳は、いかなるテロも強く非難する。両国は2016年1月にテロに対する共同声明を発表した。フランス政府が2018年4月にパリで開催するテロ資金に対する国際会議を歓迎する。両首脳は、全ての国が、テロの温床やネットワーク、資金源等を根絶し、アルカイダやISIS等のように国境を越えるテロ活動や南アジアやサヘル地域の平和を脅かすテロの防止に共同してあたることを訴える。仏印両国は、全ての国連加盟国が、国連安保理決議1267を遵守するよう呼びかける。両首脳は、国連において国際テロ包括条約(CCIT)が早期に採択されるために協力することに合意した。両国は、違法な麻薬取引等に関しても協力してあたる。
2008年の仏印原子力平和利用協定及び2016年1月のロードマップに基づき、NPCILとEDFは、インドのジャイタプールに6基の原子炉を建設する。2018年末までには着手する。もし完成すれば、世界最大級の原子力発電となる。インドの原子力規制委員会とフランスの原子力安全局は、互いに協力し合う。
出典:Government of India, Prime Minister's Office ‘India-France Joint Statement’ (March 10, 2018) )