2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年3月22日

 2月下旬に訪米したターンブル豪首相はトランプ大統領と会談し、両国のパートナーシップ強化、自由で開かれたインド太平洋地域の促進などで合意した。ホワイトハウスの発表による首脳会談の内容は以下の通りである。

(iStock.com/santiphotois/Adrian Wojcik/nickylarson974/Dualororua/ RaStudio/sweetiepea)

米国の繁栄を維持する:米国は、豪州からの質の高い、雇用につながる投資を歓迎する。豪連邦政府・州政府、民間企業、年金基金は、米国の次世代のインフラ建設への支援で米国と協力することに関心がある。両国は、米、豪、とりわけインド太平洋地域の第三国における、質の高いインフラ支援、投資を促進する計画だ。米豪は、戦略的鉱産資源の探査、抽出、加工、研究、レアアースの開発で協力する。これらは、今日の雇用を維持し、将来の雇用を発展させる。

自由で開かれたインド太平洋地域を促進する:大統領は、米豪同盟の強固さ、両国のインド太平洋地域と世界における利益と価値の緊密な調整を再確認した。

 大統領は、ターンブル首相に、北朝鮮による脅威との戦いにおける豪州の不変のリーダーシップに感謝する。両首脳は、完全、検証可能、不可逆的な北の非核化を達成すべく協力することを改めて約束した。

 両首脳は、南シナ海の状況に深刻な懸念を表明し、関係諸国に自制と国際法に基づく平和的な紛争解決を求める。大統領は、米国による航行の自由作戦への豪州の継続的な支持に対し感謝する。

 両首脳は、両国及び日本の3か国協力の深化について議論し、豪米日印の協力拡大、両国と太平洋島嶼国とのパートナーシップ強化について再確認した。

 海外民間投資公社(OPIC:Overseas Private Investment Corporation)は、米豪によるインド太平洋地域における高品質のインフラへの投資の支援、規制、透明性、地域資本市場の改革の促進のため、豪州との間で覚書を交わした。

 両国は、米豪のインド太平洋地域におけるエネルギーインフラ、低排出技術、グローバルなガス市場についての戦略的パートナーシップ構築を目指す。

 米豪は、ISIS打倒やテロ対策など、グローバルな安全保障上の協力を再確認する。

 大統領は、米豪同盟永続の象徴として、米海軍は沿岸海域戦闘艦に“USS CANBERRA”と名付けることを発表した。

出典:‘President Donald J. Trump’s Meeting with Australian Prime Minister Malcolm Turnbull Strengthens the United States-Australia Alliance and Close Economic Partnership’, White House, February 23, 2018)


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