2023年1月28日(土)

From NY

2018年7月2日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『挑戦者たち-男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で2018年ミズノスポーツライター賞受賞。

「スキニーファット」と判定

 初日はトレイナーの指導によってまず身体測定からはじまった。

 なにやら体重計を複雑にしたようなものに乗せられて、あれこれ量られる。プリンターで印刷された結果を見ると、トレイナーはこう言った。

 「典型的なSkinny Fatですね」

 スキニーファット。体重と身長から割り出すBMI(ボディマス指数)は基準値以内で、一見痩せているように見える。でも筋肉量が圧倒的に足りないため、細くても締まってなくてプヨプヨの人を指してそう呼ぶのだという。

 日本に帰れば、私より華奢な女性はいくらでもいる。私がスキニーファットなら、日本女性の大多数がスキニーファットだ! と悪態をつきつつ、エクササイズメニューを作ってもらった。

大事なのは継続すること

様々なマシーンを使いこなしてトレーニングしていく(撮影:著者)

 トレッドミルなどのカーディオトレーニング。Progressive Resistance Trainingと呼ばれる、正しい姿勢を保つための背中などの大きな筋肉を鍛えていくトレーニング。骨にある程度の負担を与えて骨の形成を促すための、High-Impact Exercise. さらにNASAが、宇宙ステーション滞在し地球に戻ってきた宇宙飛行士たちのリハビリに利用しているというパワープレートというマシーン。

 なにやら拷問道具にしか見えない様々なマシーン類の使い方を教えてもらう。

 昼間に行ってみると怪我のリハビリをしている高齢者も多く、決して想像していたようなマッチョなフィットネスおたくばかりではない。

 全身筋肉のアスリートタイプも、肩や膝などの強化リハビリ運動を静かにこなしている高齢者たちも、みんな他人のことは気にせずにマイペースで黙々と自分のやることに励んでいた。

 1セットこなしてみたら、思ったほどきつくない。でも鍵は持続させていくことだ。運動嫌いの私でも、この環境だったらどうにか続けていけそうな予感である。とりあえず、最低週3回は通うことにした。スチームサウナ、シャワーを浴びて髪をドライヤーで乾かして出て行くまで、全コースおよそ90分である。

 ちなみにここにはちょっとした有名人のメンバーがゴロゴロいた。一目で一般人の体型ではないとわかるアメリカンバレエシアターのプリンシパルダンサー。メトロポリタンオペラの主役をつとめるオペラ歌手。昔テレビドラマでよく見かけた老年のテレビ俳優。ABC局の名物お天気キャスター。近所でレストランを経営しているというレイディ・ガガのお父さんまで。

 でもこうして有名人がそこらにいるのもニューヨークなら、誰一人サインをねだったり、こっそり携帯電話で写真を撮ったりしないところもニューヨークなのである。
 

  
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