2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年9月7日

 8月20日、インドを訪問中の小野寺五典防衛大臣は、ニルマラ・シタラマン国防大臣と日印防衛相会談を行った。また、小野寺大臣は、モディ首相を表敬訪問した。同日に発出された「日印防衛相会談 共同プレスリリース」では、会談の内容が示されたので、その一部を紹介する。

(artisticco/Benjavisa/iStock

・インド洋と太平洋の安全と安定は、インド太平洋地域の平和と繁栄を確保する上で、重要である。
・海洋安全保障分野における協力の拡大は、日印双方の共通の関心事項である。海上自衛隊とインド海軍は、同分野の二国間協力を深めつつ、日印で協調して、インド太平洋地域の第三国への能力構築支援を始めとする協力を追求する。
・日印防衛当局間の全てのレベルで定期的に交流が行われている。更に、陸・海・空各軍種において、次の分野における協力・交流を推進する。

(1)各種対話及び相互訪問

ア 年次防衛相会談:インド国防大臣が2019年に日本を訪問する。
イ 2018年に行われた統合幕僚長の初のインド公式訪問を歓迎し、2018年11月の海上幕僚長のインド訪問及びインド空軍参謀長の訪日を2018年中に計画する。
ウ 2019年に東京での第7回次官級防衛政策対話及び第6回次官級「2∔2」対話の実現を追求する。

(2)陸上自衛隊とインド陸軍の間の交流

 2017年11月に日米共同統合HADR訓練が実施され、インド陸軍関係者がオブザーバーとして参加した。日印で災害に係る教訓を共有できた。今後、両国の協力・交流強化の観点から、2018年秋に、日印間で初めてとなる陸上自衛隊及びインド陸軍の間の対テロ分野の共同訓練を実施する。

(3)海上自衛隊とインド海軍の間の交流

 2018年6月、日米印3カ国訓練「マラバール2018」が成功裡に実施された。3か国は、次回の開催に向け前向きに準備している。

 日印両国は、二国間訓練の重要性にも留意し、前回の防衛相会談以降、海上自衛隊とインド海軍の間で、かつてない頻度で寄港及び共同訓練が実施され、両者間の協力が進展した。今後も対潜戦や機雷戦を含め、二国間共同訓練の継続・高度化を引き続き追求する。

(4)航空自衛隊とインド空軍の間の交流

 2017年12月、航空自衛隊ヘリコプター搭乗員がインド空軍サルサワ基地を訪問した。その後も、空軍種間の各種専門家の交流が拡大した。また、2018年6月に実施された空軍種における第2回スタッフトークスの成功を踏まえ、今後の空軍種間交流に一層弾みをつけるべく、次回のコープ・インディアに航空自衛隊がオブザーバーとして参加することが決まった。航空機による相手国基地への訪問によって、更なる日印空軍種間協力・交流の機会を追求する。


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