7月24日、米豪の外務相・国防相は米カリフォルニア州で、外務・防衛閣僚協議(2プラス2)を開催、インド太平洋戦略、北朝鮮問題、テロ対策などについて協議した。まず、今回の2プラス2の共同声明より、インド太平洋戦略に関する部分を中心に、要点を紹介する。
両国は、インド太平洋への強く深い関与を強調する。両国は他のパートナー国とともに、開放的で、包摂的で、繁栄し、ルールに基づいたインド太平洋を構築すべく協働する。
米豪は、同盟国やパートナー国とともに、国際的なルールに基づく秩序の支持に優先順位を置く。そうした秩序がインド太平洋において長年、安定、民主主義、繁栄を下支えしてきた。両国は、ASEAN主導の地域構造を支持する。最近のシンガポールでの米豪印日によるインド太平洋に関する協議を歓迎する。両国は引き続き、建設的で有益な対中関与に高い優先順位を与える。
インド太平洋における米豪防衛協力の重要性を強調、米海兵隊の豪ダーウィンへのローテーション配備と両国空軍の協力強化の価値を強調。できるだけ早期にダーウィンへの海兵隊の配備を2500人(注:現在は約1600人)まで増員する。インド太平洋における考えを同じくする国々との二国間安全保障パートナーシップを強化する。
科学技術分野における防衛協力の強化にコミットし、サイバー能力向上のための了解覚書に署名する。
安全保障と繁栄は相互に強化し合うことに鑑み、インド太平洋における二国間および多国間の経済発展協力へのコミットを強化。両国は、パートナー国とともに、地域における、原則に則った持続可能なインフラ開発を支持すべく協働する。
南シナ海における係争地形の軍事化が平和的発展への地域の希望に反することを強調、航海と上空飛行の自由、その他、国際法に合致した合法的な海洋の利用を尊重する義務があることを繰り返す。両国は、UNCLOS(国際海洋法条約)など既存の国際法と整合的な「南シナ海行動規範」の策定を求める。
太平洋島嶼国の安全、安定、強靭性、発展を促進するための協力の緊密化を支持する。同地域における情報共有、海洋安全保障、領域認識の強化の重要性を強調。両国は、パートナー国とともに、太平洋島嶼国のための持続的な能力構築活動の調整にコミットする。
出典:‘Joint Statement Australia-U.S. Ministerial Consultations 2018’, July 24, 2018, U.S. DEPARTMENT OF STATE Office of the Spokesperson