2024年4月18日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年9月20日

 中国のアフリカ支援については、他の途上国に対する支援と同様、独裁政権の強化、汚職の助長、環境破壊、債務の罠といった懸念が大きい。独裁政権に対する「箱もの」や大規模インフラの支援といった中国のやり方には「新植民地主義」ではないかとの批判がある。例えば、米国では今年3月、下院外交委員会の小委員会で、「アフリカにおける中国:新たな植民地主義か?」と題する公聴会が開催された(4月17日付け本欄『中国がアフリカを新たに植民地化?』)。この中でスミス小委員長は、「アフリカは、国際社会からの長期にわたる投資や関与を必要としているが、中国は、アフリカ地域で、かねてより好ましくないアクターだった。中国は長年、独裁者を支え、出来るだけの資源を搾取してきた。軍事的関係を築き、一党支配の政権とパートナーを築いくなどして、良き統治、法の支配、そして、アフリカの人々に損害を与えている」と指摘している。核心をつく批判である。今回のフォーラムで、中国は、アフリカの政治腐敗に反対すると言っているが、「内政干渉せず、援助には一切の政治的条件を付けない」としている。中国の実際の行動が注目される。

 日本のアフリカ支援は1993年からTICAD(アフリカ開発会議)を数年おきに開催するなど、中国より歴史が古いが、最近は中国の攻勢に押され気味である。しかし、アフリカの側にも、中国の大量の融資による債務漬け、環境破壊などの懸念がある。これに対し、日本の草の根重視の支援は現地で歓迎されている。「量より質」を掲げる日本のやり方が再度脚光を浴びるチャンスはあるかもしれない。

 米国は、中国のアフリカ進出が地政学的に影響を与え得ることに神経を尖らせている。特に注目しているのは、紅海の入り口に当たる戦略的価値の高いジブチである。中国は同国に軍事基地を開設し、港湾を管理しようとしている。ジブチは既に12億ドルの対中債務を抱えている。米国は、こうした動きがアフリカ全体に広がることを警戒している。米議会では、アフリカに限った話ではないが、海外民間投資公社(OPIC)を中核として、複数の政府機関を集約し、その新組織に600億ドルの開発融資を行う権限を付与する法案が審議されている。日本と問題意識を共有し得る米国、それに欧州などが、巨大なフロンティアであるアフリカの開発において協力できれば有益であろう。
 

  
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