2024年12月23日(月)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年5月25日

 台湾との国交を持っていたドミニカ共和国は、5月1日、台湾と断交し、中国と国交を樹立した。これについて、中華民国(台湾)総統府は、中国を厳しく非難する声明を発表している。概要は以下の通りである。

(iStock.com/GlobalP/s-a-m/stockdevil/selensergen)

 中華民国政府は、ドミニカ共和国政府が北京当局の札束外交に屈し、中華人民共和国と外交関係を樹立する決定をしたことを、深く遺憾に思う。

 中華民国政府は長年、台湾の開発・発展の経験をドミニカ共和国と共有し、ドミニカ国民の生活の質向上と幸福増進を支援してきた。その結果、以前はコメの輸入国であったドミニカ共和国は、今や輸出国となった。台湾は、ドミニカ共和国の警察行政における治安勧告システムの設立も支援した。台湾は、国交を持つ国を支援する意思も能力もあるが、札束外交には反対する。

 我々は、世界は和解と対話に向かっていると感じる。国際社会は、朝鮮半島を含むあらゆる地域において、平和と安定に向けて努力している。しかし、中国政府は、逆方向に進み、地域における軍事的圧力を高め、いわゆる「一つの中国」政策を進め、地域と両岸に緊張を作り出している。北京当局の行動は、両岸の平和という現状を一方的に損ねるものである。これは、国際社会の責任あるメンバーの振る舞いではなく、この種の誤った行動は直ちに止めるべきである。

 中国の台湾に対する継続的な圧迫は、台湾人の利益、台湾の国家としての生存、発展に脅威を与えることを計算している。この挑戦に対処すべく、与野党は、台湾人民と共に団結しなければならない。

 挑戦がいかに重大であろうとも、台湾政府は北京の圧力に決して屈せず、台湾の自由と民主主義を守り、台湾人の安全と幸福を確保する、神聖な任務を遂行する。台湾政府は、国民の利益を維持し、中華民国の主権と尊厳を守るために全力を尽くし、地域の平和と安定を維持すべく、友好国と協力し続ける。

出典:‘Presidential Office statement on termination of diplomatic relations with the Dominican Republic’, Office of the President Republic of China (Taiwan), May 1 ,2018
https://english.president.gov.tw/NEWS/5383


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