2023年2月8日(水)

オモロイ社長、オモロイ会社

2018年11月9日

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杉浦佳浩 (すぎうら・よしひろ)

代表世話人株式会社代表

三洋証券株式会社入社(昭和62年)。鹿児島支店にて勤務。地元中小企業、個人富裕層の開拓を実施。 日経平均最高値の2カ月前に退職。次に日本一給与が高いと噂の某電機メーカーに転職。埼玉県浦和にて、大手自動車メーカー、菓子メーカー、 部品メーカー等の主力工場を担当。 退職時は、職場全員から胴上げ。そして、某保険会社に20数年勤務後、平成26年末に退社。在社中は、営業職、マネジメント職を経験して、リテール営業推進、若手人財育成を中心に担当していた。 社外の活動も活発に行っていた。平成27年1月1日、代表世話人株式会社を設立。
同社代表取締役に就任。世話人業をスタート。

店舗出身者が見つけた新しい働き方「在宅接客」

 「接客」に価値を見出して小売業界に入社した方にとって、前述の通り接客時間が3割の現状、キャリアビジョンの不明瞭さ、産休・育休からの復帰に対する不安から、退職する人も少なくありません。空色が募集するチャットセンターへは、店舗スタッフから応募があり、多い時で倍率が50倍を超えるそうです。非対面ながら100%お客様に集中して接客ができる環境と、チャットセンター業務の先に、AIチューニングや導入企業様の支援など、新たなキャリアを描けることから、接客の専門性が高い方の入社が続いています。

 インターネットとパソコンさえあれば可能になる、「自宅で接客」という新しいワークスタイルを今後創出していきます。

膨大な会話ログを蓄積、そこがキー! その先に目指すこと

 小売業界の進化にとって大きな力を発揮している空色、ここから先に大きなキーとなってくるのは、「大量の会話ログをデータ保有していること」。日々蓄積している会話ログは4000万件を超えました。AIチャットボット構築と運用の大きな障壁は、AIの学習データと会話設計のノウハウが不足している点にあります。

 空色ではこれまで培ったシナリオ設計力と会話ログデータを活用し、スムーズなチャットボット導入と高い効果を実現しています。今後、さらに加速的に蓄積する会話ログを資産として、パーソナルな接客を多言語で自動化する予定です。

 来年からは音声も含んだ「会話ログ」を蓄積し、どんな状況のお客様に、どんな接客を行うことで、購買行動がどう変化するのか? を解明したいと考えています。これは大きなテーマですが、人間の意思決定ロジックを解明することで、無数の情報を検索し、比較し、意思決定する時間をより楽しめる時間に変えることができる。

 最終的な目標としては、世界70億人に向けた接客を支援したいと中嶋さんは話します。

社名、「空色」に込めた想い

 「接客」、「会話ログ」、人と人とのコミュニケーションに事業をフォーカスしている中嶋さん、そもそも新入社員として入社したNTT西日本でチャレンジしたかったこと、自分の力不足で実現できなかったことから、起業に繋がっているそうです。

 モールス信号、電報、固定電話、メール、チャットと時代によって普及するツールは異なりますが、一度普及すると50年以上前から存在するツールですら、未だに無くならない現実、このことから事業ドメインをコミュニケーションから外さないと決断しているそうです。

 そういう想いで入社した、NTT西日本で勤務した8年間。新入社員の時から少し変わった社員だったそうです。

 同期入社の社員が飛び込み営業でインターネット回線を販売する新卒時代、ゲームソフト販売店の経営者を口説き、ゲーム機とインターネット回線がセットで販売される仕組みを創る、
販売代理店である家電量販店様と共にインターネット回線の販売を促進し、2年間トップ成績
を上げるといった実績を示し、お堅い会社の中で自由な発想と行動力で実績を挙げていたそうです。

 そこから志願して新規事業開発部署へ。そこで愕然とするのが新規事業開発部だけに自由になんでも出来る!がそうではない事実。見えない社内の壁、加えて硬直化した組織、自身のアイデアを事業化するも運営に携われなかったこともあり、起業の道を選択しました。

 それは社名に大きな拘りを感じます。空色、「空」には、制限や制約が多かったサラリーマン時代の経験を糧に、領域・制限がない自由な対話を設計するという意味合い。「色」には十人十色、個性を押し殺すことのない、多様性を認め合う会社運営、という想いから名付けたそうです。

 世界中の人々と伴走しながらコミュニケーションコマースを展開していく企業に成長させたいと中嶋さんは語ります。今後も空色の動きに注目したいと思います。

  
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