Washington Files

2018年11月12日

»著者プロフィール
著者
閉じる

斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 しかし、「反トランプ」ムードが最も端的に現れたのは、州知事選だった。

 9日現在の集計では、民主党はミシガン、ウイスコンシン、カンザス、ネバダ、ニューメキシコ、イリノイ、ペンシルバニア7州で共和党現職知事を破る一方、民主党現職知事はすべて再選を果たした。このうち、ウイスコンシン、ミシガン、ペンシルバニアの中西部3州は2016年大統領選でトランプ当選を決定づけた重要州と位置付けられていたが、今回、民主党の党カラーである“ブルー・ウェーブ”に飲み込まれたかっこうとなった。

 とくにカンザス州知事選では、イスラム教徒排斥、移民制限などの「トランプ主義」を最後まで熱烈に支持し、大統領自身も終盤に応援にかけつけた超保守派のクリス・コバック候補までも敗退、トランプ陣営に衝撃を与えた。

 さらに共和党の牙城であるフロリダ、ジョージア両州については、共和党候補が勝利宣言したものの、民主党候補との差が紙一重となっており、場合によっては票の数え直しの可能性もあることから10日現在、選挙管理委員会による最終確定にまでは至っていない。

“buyer’s remorse”(買い物した客の後悔)

 これらの結果は、2年前の大統領選でトランプ氏に投票したラストベルト(さびついた工業地帯)や農鉱地帯の有権者の間でさえ、すでに“buyer’s remorse”(買い物した客の後悔)と呼ばれる意識変化が起こっていたことを暗示している。

 民主党出身の州知事数の増加は、同党にとって2020年の上下院選挙を有利に進めるための重要な布石であり、ひいては関係各州における大統領選の選挙戦略にも多大なインパクトをあたえることにあるだけに、共和党としてもけっして侮れない。

関連記事

新着記事

»もっと見る