2023年1月28日(土)

家電口論

2018年11月23日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

1961年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒、同理工学研究科修了。大手メーカーにて商品開発・企画を担当後、独立。現在、商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。

タイガー魔法瓶「炊きたて」

 タイガーが眼を付けたのは、「羽釜」ではなく「土鍋」です。土鍋で炊いたご飯は美味しく、料亭でも土鍋で炊くところが多いです。土鍋で炊くと美味しいのは、優れた保温性を利用しているからです。しかし、どんな土鍋でもイイかというと、ちょっと違います。

タイガー「炊きたて」

 土鍋で有名なのは、「萬古焼(ばんこやき)」(三重県四日市)と「伊賀焼」(三重県伊賀市)。近しいところにありますが、この2つ、土が全く違います。萬古焼はペタライト(ケイ酸塩鉱物の一種)で作られます。このため耐熱性が高く、硬いのが特長で、陶器と磁器の間のような性質を持ちます。一方伊賀焼は、元々琵琶湖の湖底だった土を用います。微生物が多いため、土鍋にした際、無数の空気穴ができ、それが耐熱性、保温性を高めます。ちなみに土鍋の80%は萬古焼だそうです。

 タイガーは、この萬古焼を内釜に用いています。そして「プレミアム本土鍋」と名付けられた内釜は、もうひと味違います。炭化ケイ素をプラスして、熱伝導を2.5倍に高めています。焼きも凝っており、実に四度焼きです。

 その上、タイガーはIHに一際ならぬ情熱をもっています。例えば、ホームベーカリーは現時点でタイガーだけIH。高温で焼き上げます。できたパンは、外サックリ、中フワフワなのですが、真価は冷凍保存したとき。他のベーカリーで作ったパンは冴がなくなるのに対し、そのままと言ってもいい位風味を保っています。炊飯では「遠赤特大土かまど」と名付けられたIHシステムが出す熱量を、まんま、土鍋内釜が受け止めるわけです。

 タイガーは、お焦げを厭いません。標準の火加減でもお焦げがでます。大火力で炊くというのは、そういうことです。逆に、それが香ばしく美味しくいただけます。噛むほどに美味しく、幸せ度が拡がります。ちなみに、タイガーは「火加減」という要素があり、3段階選択できます。このうち、火加減弱の場合、お焦げはでませんので、ご安心を。

外観

 タイガーの炊飯器で、特筆すべきことがもう一つあります。それはデザインです。360°デザインと銘打ったデザインは、なるほど、360°どこから見ても破綻がありません。また土鍋内釜のデザインも一際キレイです。これは内釜を取り出し、お櫃として使えるように考えられたモノで、フタも付いています。

 タイガーは、海外メーカーと通じるところがあり、こうと思ったことをトコトン磨き上げます。「THE 炊きたて」は、磨かれ抜かれた炊飯器と言えます。


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