2024年4月25日(木)

From LA

2018年12月13日

対照的なのがミシェル・オバマ

2018年に出版された『BECOMING』

 クリントン夫妻の凋落ぶりとは対照的なのがミシェル・オバマさんだ。同じく元ファーストレディながら、現在回顧録である「Becoming」のプロモーションのため全米で講演活動を行っているが、こちらはどこでも大盛況。次の大統領選挙にミシェルさんを担ぎ出そう、という声も高まっており、講演は数千ドルのチケットが完売状態となっている。

 なぜこうなってしまったのか。まず国民感情として「もうクリントンには飽きた、もう十分」というのがある。夫が二期大統領を務め、次はその妻、というので大統領選挙の時にもアンチ・ヒラリーの感情は相当なものがあった。民主党がトランプ氏に敗北したのではなく、国民の「ヒラリー嫌い」がトランプ氏を大統領に押し上げた、という意見まであるほどだ。

 夫のビル氏はそれでも尊敬を集めてはいるのだが、妻とセットになると途端にそっぽを向かれる傾向にある。夫妻が政治について語る、というのも「また政治を使って金儲け」と皮肉に取られてしまうのも事実だ。しかも「次の大統領候補」に推されるミシェルさんとは違い、ヒラリー氏にはほぼ可能性はない。前回の選挙が同氏にとってはラストチャンスだった、というのは誰もが賛同するところだ。皮肉なのは民主党予備選でヒラリー氏に敗北したバーニー・サンダース氏の方はそれほど人気が衰えず、高齢ながら次の選挙にも打って出る用意がある、と宣言していることだ。

 価格を下げてでもチケットを売ることで、さらにイメージが低下する恐れもある。ジュリーのように「人が集まらないからキャンセル」と諦めた方がむしろさっぱりしていたかもしれない。クリントン夫妻の迷走はどこまで続くのだろうか。

  
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