実際のニューヨーカーのホリデイは……
クワンザは、当初はアメリカの黒人がクリスマスの代わりに、自分たちの伝統を祝う祭りとして提唱されたものだったが、後になってクリスマスを代替するものではない、とカレンガ博士も方向性を変えたそうである。
だから黒人でクリスチャンの家庭は、クリスマスを終えてからクワンザのお祝いをはじめるところも少なくない。
もっとも友人であるハーレム育ちのミシェルに、彼女の家のクワンザの祝い方を聞いてみたら、こんな返事が返って来た。
「うちはクワンザは特にお祝いしないの。クリスマスだって会社のパーティーに顔出すくらいで、ろくすっぽやっている暇がないくらいだもの!」
なるほど、実にニューヨーカーらしい答えだった。
専業主婦という人たちがほとんど存在しないニューヨークでは、主婦ものんびりとクッキーなど焼いている暇はない。ツリーの飾りつけも子どもが育ってしまえば省略し、クリスマスカードも近頃ではメールですませられる。
パーティーに行ったら顔見知りの相手と「ハッピーホリデイズ!!」と声をかけあい、ワインを1,2杯飲んだら主催者を素早くハグをし、そして足早に次の目的地に向かう。
あまりロマンチックではないけれど、これがいまどきのニューヨーカーのホリデイの過ごし方だ。
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