前向きに読み解く経済の裏側

2019年2月4日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

世の中は悲観的な情報が溢れているから要注意

 GPIFが運用で損をすると、大きく報道されますが、運用で儲かった時は小さく報道されるので、読者の中には「GPIFは運用開始以来のトータルで見れば儲かっている」ということを知らない人も多かったと思います。

 そういう人は、「一事が万事」かも知れない、と考えてみて下さい。世の中には、悲観的な情報が溢れています。私たちの得ている情報は、現実そのものではなく、悲観バイアスがかかったものなのです。私たちは、サングラスをかけて世の中を見渡しながら、「日本経済は暗い」と考えているようなものなのです。

 まず、情報の発信者が情報を歪めます。たとえば儲かっている会社は労組の賃上げ要求などを恐れて黙っていますが、儲かっていない会社は「当社は苦しいからボーナスなし」などと大きな声を出すわけです。

 評論家も、「多数の問題点やリスクがある」という悲観論を好みます。悲観論を述べた方が賢そうに見えますし、話が多方面に展開できるので聞き手を飽きさせないからです。

 マスコミも、悲観的な話が大好きです。「悲観的な話をする方が多くの人々に見てもらえる」ということもありますし、政府を批判することがマスコミの使命だと考えている所もあるようですから。本当は、政府を監視することがマスコミの使命のはずなのですが……。

 ちなみに、世の中で流れている情報には悲観的なものが多いので注意が必要である、という点については、拙稿『マスコミの“悲観的”な情報が信用できないワケ』を御参照いただければ幸いです。

  
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