世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2019年2月13日

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 1月29日に採決が行われた7本には、2月26日までに離脱協定案を可決できなければBrexitを延期するという趣旨の、労働党のイヴェット・クーパーと保守党のニック・ボールズが提案した修正案が含まれている。この修正案が可決されていれば、政府にリスボン条約第50条(EU離脱に関する規定)に基づく離脱期限の延期を強いることになる筈であった。この案は、労働党から14名の造反が出て賛成298、反対321で否決された。

 メイは、「EUと再交渉の結果をなるべく早く議会に報告する。もし2月13日までに再交渉の結果を得られない場合にはその日に議会に今後の方針を示した上で翌14日に採決を行う」と述べている。

 3月29日の期限を目前に、いよいよ「合意なき離脱(no-deal Brexit)」の可能性が高まっている。この崖っぷちから一歩退くことが出来るか否かは、メイが従来の行き掛りを捨てて自ら方針転換するか、それとも方針転換を議会に委ねるかにかかっている。方針転換の方向として、前出フィナンシャル・タイムズ紙社説は、二つを示唆している。一つは、よりソフトなBrexitである。これはノルウェー型を指しているのであろうが、英国にとって決して好ましいオプションではない。ノルウェー型は、EEA(欧州経済領域)に加盟することで単一市場(農業と漁業を除く)にアクセスできるが、政策決定には関与できない一方でEUに予算を拠出しなければならない、というものである。もう一つは、リスボン条約第50条の離脱期限の延期を要請し(1月29日の議会審議でメイはその可能性を否定しなかった)、その上でリスクはあるが再度の国民投票に進むことを選択することである。方針転換が出来ないのならno-deal Brexitは不可避ということになる。

  
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