しかし、それでは、多くの保険料を払いながら、たいして年金を受け取れない若い世代と、現在、少ない保険料しか払わなかったが高い年金を受け取っている高齢世代との不公平はどうするのか。
また、現在でも勘定が合っていない年金の受給額と保険料のアンバランスをさらに拡大してどうするのか。
年金支給開始年齢の引上げも、現在、年金を受けている高齢者はなんら負担せず、これから受けとる世代がしわ寄せを受けるだけだ。結論を繰り返そう。働く高齢者に年金を減額しないのは正しいが、そのために世代間の不公平をさらに拡大し、勘定があっていない年金をさらに赤字にするようなことがあってよいはずはない。
なお、高齢者が働くことで、若者の雇用が奪われるのではないかという心配される方も多いが、その心配はない。働いて収入のある人は、必ずその収入を使う。お金を使うとは職を作るのと同じである。適切な財政金融政策で景気を安定させれば、高齢者が働くことで若者の職が奪われることはない。
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