2022年12月4日(日)

サムライ弁護士の一刀両断

2019年3月8日

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河本秀介 (かわもと・しゅうすけ)

弁護士

敬和綜合法律事務所所属。東京大学卒業後、三菱重工業での勤務経験を経て、2007年に弁護士登録。以後、会社関係訴訟、企業経営への助言、株主総会指導、M&Aアドバイスなど、コーポレート分野を中心に、幅広い内容の業務を遂行している。

詳細な条件が付くという「異例」

 2つめの「異例」は、保釈にあたって詳細な条件が付いたことです。

 被告人を保釈する場合でも、罪証隠滅や逃亡を防止する必要があることには変わりません。そのため保釈には、多くの場合、事件関係者と接触しないことや、指定された場所(自宅や親族の家など)に住むことなどの条件がつきます。

 ゴーン氏の場合も、事件関係者への接触禁止や日本国外への渡航禁止が保釈の条件とされているようですが、これはごく一般的な条件でしょう。

 これに対して本件では、「自宅玄関付近に監視カメラを設置する」「パソコンを使用する場合には平日の日中に弁護人の事務所に行く」といった、罪証隠滅の防止に向けた非常に詳細な条件がついているようですが、このような条件が付くことは珍しいと思われます。

 というのも、詳細な条件を付けなければならないということは、裏を返せば罪証隠滅のおそれが否定できないということです。

 そういった場合、裁判所としては、端的に「罪証隠滅のおそれあり」として保釈請求を却下する判断を行いがちです。詳細な条件を付けて罪証隠滅のおそれを減らしたうえで保釈を認めるという対応は、これまでの裁判所の傾向からすると「異例」でしょう。

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