今回のテーマは、「米朝首脳会談後のトランプ支持率」です。2回目の米朝首脳会談はベトナムの首都ハノイで先月27、28両日に開催されました。以前記事の中で説明しましたが、ドナルド・トランプ米大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告の公聴会が27日に米議会で開催され、会談よりも高い関心を集めました。
米国の有権者は、米朝首脳会談及びコーエン被告の議会証言をどのように捉えたのでしょうか。本稿では、最新の世論調査に基づいて分析します。
真っ二つに分かれた米朝会談の見方
米NBCニュースとウォール・ストリート・ジャーナル紙の共同世論調査(19年2月24-27日実施)によれば、トランプ大統領の支持率は46%でした。これまでの40%前後の支持率と比較しますと、上昇したことになります。
ところが、「決裂」の結果となった米朝首脳会談後に行ったクイニピアック大学(米東部コネチカット州)の世論調査(同年3月1-4日実施)をみますと、確かに共和党支持者のトランプ大統領に対する支持率は82%と高いのですが、全体では38%まで低下しています。
また同調査が、「米朝首脳会談は成功したか、失敗したか」
トランプ大統領はワシントンを出発する前に、「北朝鮮がミサイルと核の実験をしないことも取引材料になる」と述べて、現状維持を示唆していました。昨年の米中間選挙においても支持者を集めた集会で、北朝鮮がミサイルと核の実験を中止している点を繰り返し強調し、成果としてきました。
つまり、トランプ大統領は米朝首脳会談で「最低ライン」は確保できたという認識を持っています。
ただ、クイニピアック大学の調査では、看過できない結果が出ています。「トランプ大統領の北朝鮮政策に対して、自信が持てますか」という質問に対して、42%が「はい」、52%が「いいえ」と回答している点です。
昨年6月にシンガポールで開催された1回目の米朝首脳会談後に、同大学が実施した世論調査では同じ質問に、49%が「はい」、47%が「いいえ」と答えました。2回目の会談が物別れに終わった結果、「はい」と「いいえ」が逆転し、トランプ大統領の北朝鮮政策に不安を抱く有権者が5ポイント増えています。