「逃げ切り」を狙うトランプ
選挙資金法違反に加えて、コーエン被告の証言により、トランプ大統領は「共謀罪」に問われる可能性も高くなりました。以前述べましたが、同被告は下院監視・政府改革委員会での公聴会において、内部告発サイト「ウィキリークス」が、ヒラリー・クリントン元国務長官に不利なメールを大量に流すことを、トランプ大統領が事前に把握していたと証言したからです。
仮にそうであるならば、トランプ大統領はウィキリークスと共謀した形になります。しかも、米情報機関はウィキリークスが公開したクリントン陣営及び民主党本部の電子メールは、ロシアのハッキング集団が窃盗したものであると断定しています。となると、トランプ大統領は外国政府、しかも敵国の政府と共謀したと解釈ができます。
さて、米司法省の内規では、現職大統領は刑事訴追を受けません。ただし、これも繰り返しになりますが、トランプ大統領は20年の米大統領選挙で民主党候補に敗北し、前大統領になると訴追される可能性があります。
従って刑事訴追から逃れるために、トランプ大統領にとって来年の大統領選挙での勝利は「絶対条件」になりました。ロイター通信によれば、たとえ訴追されても大抵の連邦刑事罪は時効が5年なので、時間切れになるというのです。
トランプ大統領が次の大統領選挙に勝って、果たして逃げ切り態勢に入ることができるのか、注目です。
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