海野素央の Love Trumps Hate

2019年3月13日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

安倍総理の米大統領選挙「加担」?

 トランプ大統領は2月25日にホワイトハウスで開催した全国知事会で、「安倍総理が日本の自動車メーカーがミシガン州、オハイオ州、ペンシルべニア州などにおそらく7つの新工場を建設すると語った」と述べました。同大統領は、3月6日にもホワイトウイハウスで同様の発言をしています。

 16年の米大統領選挙において、トランプ大統領は民主党が保持してきた中西部ミシガン州及びオハイオ州、東部ペンシルべニア州でクリントン氏を破り大統領の座を勝ち取りました。

 しかし、実際は大接戦でした。オハイオ州は8.6ポイント差でしたが、ミシガン州は僅か0.23ポイント差、一方ペンシルべニア州も0.72ポイント差で1%以下でした。

 この3州の選挙人は合計で54です。仮にこの3州でクリントン氏が勝利を収めていれば、同氏の選挙人は281、トランプ大統領のそれは250となります。大統領当選に必要な選挙人の数は270ですので、クリントン氏の勝利でした。

 20年米大統領選挙ではミシガン州、オハイオ州及びペンシルべニア州を死守したいトランプ大統領と奪還したい民主党候補にとって、3州は明らかに最重点州になります。

 恐らくトランプ大統領は、自ら安倍総理にうえの3州への日本の投資を強く求めたのでしょう。ノーベル平和賞受賞の推薦と同じパターンです。

 勘繰ってしまえば、7つの新工場とは3州で勝つために少なくとも7つのカギとなる選挙区があるという意味です。その選挙区に日本に新工場を建設させるというトランプ大統領のしたたかな計算が存在します。

 安倍総理は今後、議会民主党からトランプ再選に「加担」しているとみられるかもしれません。

  
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