Wedge REPORT

2019年3月29日

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―― 公式サイトには家賃の目安として、マンションタイプ10~15万円、戸建てタイプ25~45万円、シェアハウスタイプ4~6万円とあります。これは一般の相場よりも高く設定されるのでしょうか。

勝瀬 一般の賃貸住宅の家賃と比べると、高いです。ただ通常の引っ越しは初期費用がかかる。家賃12万円の家に1カ月だけ住みたい場合、敷金礼金2カ月ずつに初月の家賃がかかって普通なら60万円が必要ですが、OYO LIFEなら家賃だけで住む。同じ場所に12~18カ月未満住む場合にはOYO LIFEのほうが、経済合理性が高い計算です。

 住んでみたい場所に1カ月間滞在する。大学生が夏休みや冬休みの帰省中に部屋を解約して家賃を節約する。そうした、今までにないライフスタイルが提案できると考えています。

―― サブリースである以上、まずOYO LIFEが部屋を確保する必要があります。3月中に1000室を確保という目標を掲げられていますが、相当の資金が必要になるのでは?

勝瀬 OYO LIFEは、OYOとヤフーの合弁会社によって運営されますが、80億円の資金を確保しています。ベンチャーとして短期的な利益は狙わない方針ですが、ムダ遣いせずコストをコントロールしていきます。オフィスもこぢんまりとしたシェアオフィスですしね(笑)

(インタビューは新橋のシェアオフィスで行われた。人員拡大中とのことで、オフィスは早くも手狭だった)

―― 暮らし方を変える革命的なサービス、「インド発の黒船」として注目を集めそうです。

勝瀬 私たちに黒船という意識はありません。むしろ日本の不動産業界と協調し、盛り上げていこうという考えです。物件の確保も所有者との直接交渉ではなく、不動産代理店を経由しています。またOYOパートナーズというスキームも進めています。これは不動産代理店に部屋を探しに来た顧客に対し、OYO LIFEを勧めていただくと、代理店に一定額のインセンティブが支払われるという制度です。またOYO LIFEの物件の鍵を不動産代理店に預かってもらい、スマホで契約して代理店で受け取るという方式も進めています。

―― OYO LIFEが提案した新たなライフスタイルが日本に定着した場合、不動産業界の既存プレーヤーが参入することも考えられます。豊富な物件や販売網を持つ企業が相手では厳しい戦いになるのでは?

勝瀬 OYO LIFEのようなサービスが成功するには、3つの条件が必要です。第一に資本力。これについては先に説明しました。第二にITの力。OYOはインドに700人、中国に700人のエンジニアを擁しています。AIエンジニア、データアナリストもそろっています。第三にマーケティングや清掃などを管理するオペレーション能力。この3つを兼ね備えた企業はなかなかいないのではないでしょうか。

【インタビューメモ】サブリースやウィークリーマンションとビジネスモデルは変わらない。違うのは売り方だ。勝瀬CEOはそう言い切る。徹底的な顧客目線で商品を開発し、顧客を集める。アマゾンやブッキング・ドットコムのように大量の客を集める“場”になるという構想だ。「ホテルのように部屋を選ぶだけ」という新たなスタイルが日本社会に受け入れられるのかが問われることになりそうだ(高口)。

  
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