Wedge REPORT

2019年3月29日

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 「ホテルのように部屋を選ぶだけ」。インドの宿泊プラットフォーム「OYO」が日本でスタートした賃貸住宅サービス「OYO LIFE」のキャッチコピーだ。スマホのアプリから申込めばすぐに住み始められる。敷金礼金は不要。1カ月単位で契約できる。1カ月分の家賃と入居時の清掃費だけ出せば、ホテル予約並の気軽さで部屋を借りられるという革新的な賃貸住宅サービスだ。

インドの宿泊プラットフォーム「OYO」の賃貸住宅サービスがスタートする(ロイター/アフロ)

 OYO LIFEのキャンペーン「いきなり東京0円ライフ」に当選し、現在OYO LIFEの物件で暮らすエンジニアの永尾修一さんは「入居がともかく楽でした」と話す。家具や家電もそろっている。電気・ガス・水道の開通手続きは不要。モバイルルーターが置いてあり、インターネット回線の契約も必要ない。「タオルや食器までありました。改装したてなのか、部屋もとてもきれいでした」。

 このキャンペーンでは1カ月間に限り無料だが、継続して住むことも応相談なのだとか。実際にOYO LIFEを体験して、今後も住み続けたいと思うのか、永尾さんに聞いてみた。

 「今の部屋は継続した場合に必要な家賃が高いので、ここに住み続けるのは難しいですね。ただもう少し安い物件ならば、ありだと思います。一時的に家が欲しい人、異動が多い人間に合うのではないでしょうか」

 新たなコンセプトをひっさげて、日本の賃貸不動産業界に進出したOYOとはどんな企業なのだろうか? 同社は2013年の創業だ。一定以上の品質を担保したホテルにOYOブランドを与え、予約サービスを展開する「OYO ROOMS」を主力サービスとして成長した。インド本国のみならず、中国やイギリスなど世界展開を進めている。米調査会社CBインサイツによると、同社の評価額は現在50億ドルに達している。2017年にはソフトバンク・ビジョン・ファンドも出資している。

 そのOYOが日本上陸にあたり、ホテルではなく賃貸住宅事業を手がけるのは意外だった。どのような狙いがあるのか、OYO日本法人であるOYO TECHNOLOGY & HOSPITALITY JAPANの勝瀬博則CEOに直撃した。

高口(以下、――)なぜホテル事業ではなく、賃貸不動産事業に参入したのでしょうか?

勝瀬 昨年、ソフトバンクグループの会長兼社長の孫正義さんに招かれ、「OYOが日本に上陸したらどうなると思う?」と質問を受けました。私が宿泊予約サイト大手のブッキング・ドットコムの日本・韓国統括や、ホテル宿泊客に無料でスマホを貸し出すhandy Japanの社長だったので、ホテルに詳しいというイメージがあったのでしょう。ホテル事業も成功するだろうとコメントしましたが、別に面白いプランがあると、こちらから賃貸不動産事業についてピッチしました。実は以前からホテルの仕組みを不動産に導入すれば成功するのではと考えていたのです。

 2週間後にまた孫さんから呼ばれたのですが、今度はOYO創業者のリテシュ・アガルワルも同席していました。二人を前にプレゼンをしたのですが、10分もするとリテシュが「まさにOYOが考えていたビジネスだ」と興奮して声をかけてくれました。OYOは自社を「クオリティ・リビング・スペースを作る企業」と定義しており、ホテルのみならず中長期の生活空間も手がける構想を持っているのだ、と。

 実際、インドではOYO Livingという賃貸サービスも展開していました。ただ、日本でOYO LIFEというサービス名とロゴを作ったところ、「クールだ!そのブランド名に統一する」と、インドのサービス名も改名してしまったのですが(笑)

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