“熱視線”ラグビーW杯2019の楽しみ方

2019年4月10日

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 浅間はラグビーを独学で学び、練習メニューの大枠を作っている。それを初回講習会からサポートとして参加している川越ラグビースクールのコーチ陣にアドバイスをもらい、練習ではコース取りやパススキルなどの基本的な指導をお願いしている。

 「我々が外から見ていることと選手たちが考えていることや感じていることに違いがある場合があります。練習で一番大切なことは選手たちの要望なので、ラグビー経験のある二人の選手の意見を聞き、話し合いながら練習メニューに取り入れています。今はそういうやり方で進めているところです」

 現在の競技人口は約10名。競技発展のためにはゆくゆくは晴眼者も入って日本独自のルールを確立して競技人口を増やしていくことが普及に繋がると考えている。

 浅間は日本ブラインドラグビー協会設立を機に、できれば関東圏と関西圏に限らず広く全国に発信して、国際大会に向けた選手募集を行いたいと考えている。

ブラインドサッカーでの経験を活かして

 浅間に誘われ初回から参加している神谷考柄は、東大阪の日新高校出身で、高校時代は弱視ながら、激戦区大阪で準決勝まで勝ち上がったチームで活躍した。高校時代のポジションはプロップ。

 「今はブラインドサッカーと並行してやっていますが、ゆくゆくはブラインドラグビーに絞っていければと考えています」

 「弱視の人も全盲の人も参加出来てこその障害者スポーツだと思いますので、僕がブラインドサッカーで経験したことをブラインドラグビーに生かしていきたい。ボールにもルールにも改良をかけて、目の不自由な人たちにもラグビーのすばらしさを感じてもらえるようなスポーツにしていきたいです」

豪快にトライを決める神谷考柄選手

 イングランドとニュージーランドを迎え撃つ国際大会に向けて尋ねると、

 「10月の大会は勝つことよりも出場する選手たちが、楽しいと思えるようなチームになれたらいいと思っています。まずは一体感をもって大会に臨みたいですね。スポーツには勝ち負けよりも大事なことがありますから。すべてはそこからです」

 同じく浅間に誘われた近藤正徳(過去記事参照)は、山梨県の桂高校の出身で、県の決勝戦で日川高校と同点により両校優勝という実績のある強豪校で活躍した。高校時代のポジションはロックとフランカー。

 「目が悪くなってからはブラインドサッカーをやっていたのですが、もう一度こういう形でラグビーができることをうれしく思っています」

 「ただ、国際大会のことはもう少しこの競技を理解してから考えたいと思っています」

 新しい競技に手探り状態だという答えだ。しかし、大事なところは明確に持っている。

 「視覚障害者に限らずお年寄りや子どもたちが参加しやすい競技になればいいですね。健常者と障害者が一緒に楽しめることが大切です。それが障害の理解を深め、お互いに特性を生かし合える社会になる一歩になると思います」

 競技の発展については、

 「競技者が増えチームが増えて、ゆくゆくはリーグ戦のようなものができるようになれば楽しいですね。そうした中で純粋にプレーする楽しみ、勝つ楽しみ、さらには上を目指す楽しみなどが生まれます。スポーツにはいろいろな楽しみ方や可能性がありますので、まずは競技のすそ野を広げたいと思っています」

 初回から活動をサポートしている川越ラグビースクールの大城信之コーチは、「地元川越で新しいラグビーが始まるというので、それなら我々がお手伝いをしようと声をあげました。実際にはじめてみると、今まで僕らがやってきたことは見えていることが前提なので視覚に障害を持つ人たちへの指導の仕方とは大きな違いがあります。練習会のたびにそれぞれの障害を知り、我々の学びにもなっています」

 「地元で生まれたラグビーですから、これからもサポートし続けたいと思っています」

 と熱いメッセージを送っている。

選手、コーチ、スタッフ陣

 生まれたばかりのブラインドラグビー。

 物語はこれからはじまる。
 

<日本ブラインドラグビー協会のHP>
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http://blindrugby.starfree.jp/


  
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