今回はラグビージャーナリストの村上晃一さんとラグビーマガジン編集長の田村一博さんの対談の特別編としてラグビーの魅力を語っていただいた。
*対談前編:ラグビーの起源は「サッカーの試合中にボールを持って走った」ではなかった!
*対談後編:歴史的大敗からの復活、ラグビー日本代表が南アフリカに勝利できた理由
優勝候補のオールブラックスを軸にラグビーワールドカップを楽しむ
――ラグビー全体の競技レベルが上がって、国内、海外ともにどこのチームの戦い方も似てきたというご指摘がありましたが、純粋に競技としての魅力とスピリットや文化も含めた広い意味でのラグビーの魅力をお聞きしたいと思います。
まずは競技的な魅力とはどんなところにあるのでしょうか。優勝候補を軸にお聞かせください。
村上:なんといってもニュージーランド、オールブラックスですね。
ニュージーランドは個人的なスキルが高く、パスやキック、ランニングなどすべての面において優れているので、その強いニュージーランドをどこの国が、どんな戦い方で倒しにいくかというのが、もっともわかりやすい楽しみ方だと思います。
ラグビーのルールは相手ゴールにボールを運ぶというシンプルな競技です。ボールをどうやって運んでいくか、その方法にそれぞれのチームの特徴がでます。
たとえば体が大きくて強い選手が多ければ、その体を使ってどんどんぶつかっていけば前に進めるし、走るのが速い選手がいるのであれば、その選手が走るスペースをたくさん作るような戦い方をすればいい。
ラグビーを見ていただくにあたって、それぞれのチームがどうやってボールを運ぼうとしているかという点に気をつけて見てください。
そのうちにこのチームはタテばかり行くとか、キックが多いなというように分かるようになってきます。
よほどの実力差がないかぎり決まった戦い方はなく、一番強いニュージーランドでも相手によって戦い方を変えています。
ニュージーランドはどんな戦い方もできるチームなのでラグビーの魅力がたくさん詰まっていると思ってください。初めてラグビーワールドカップを見る方でもオールブラックスの試合は十分に楽しめるはずです。