初めてラグビーの日本代表が結成されたのは1930年の「全日本カナダ遠征」のときである。
以来、サイズとパワーで勝る海外勢を相手に、いかに戦い勝利するかという課題への挑戦が始まった。
元ラグビー日本代表キャプテン廣瀬俊朗さん
68年のニュージーランド遠征におけるオールブラックスジュニア戦の勝利や、83年の赤い恐竜と呼ばれたウエールズを敵地で24-29まで追い詰めた試合など、オールドファンが歓喜するような事績もある。しかし、日本代表の歩みとは、おおむね体格で勝る相手に累々と黒星を積み重ねた、数限りない挑戦の歴史と言えるのではないだろうか。
昨年(15年)のこと、そんな長年のストレスを払拭するような出来事が起こった。
イングランドで行われた第8回ラグビーワールドカップにおいて、日本代表は、世界ランク3位の南アフリカ(スプリングボクス)に勝利するという歴史的な快挙を成し遂げた。
真っ向から勝負を挑み、試合終了直前に世界のラグビーファンの度肝を抜くような大逆転勝利を演じたのである。
ワールドカップにおける日本代表の勝利は、第2回大会のジンバブエ戦以来24年ぶりのことであった。暗く長いトンネルから抜け出したような解放感を味わったファンも多かったはずだ。
そのラグビー日本代表の礎を築いたのが、元ラグビー日本代表キャプテンの廣瀬俊朗氏である。所属したすべてのチームでキャプテンを務め、紹介しきれないほどの経歴を持つ、まさにリアルリーダーと言える存在である。